第23話


「 あの・・ 」


わたしは、颯爽と振り返って現れたキラキラ星を見上げた。


「 みぃちゃんを助けてくれてありがとう 」


「 俺はただ連れてきただけだし、あのどしゃ降りの雨の中、助けてあげたのは黒木のほうじゃない? 」


「 そ、そんなこと・・ない・・ 」


だめだ、眩しすぎてこれ以上見れない・・


わたしは、みぃちゃんに視線を変えた。


「 椎名くんもこの子に呼ばれたの? 」


「 たまたま今日に限って時間なくてさ、あの公園近道だし通ったわけ、そん時、赤い傘が目について、傘の中を見たらビックリ、みぃちゃんがいたってわけさ 」


「 寝坊しなかったらみぃちゃんと会えなかったかもしれないな 」


「 わたしと一緒だね 」


「 ふ〜ん ちょう真面目な黒木でも寝坊することがあるんだ 」 


「 寝坊に真面目とか不真面目とかはないと思います それにわたし、みんなが言うほど真面目なんかじゃない 」


「 そうかなぁ、じゃあ、なんでいつも教室でひとりで勉強してるわけ? 」


「 そ、それは・・成績を上げたいから・・ 」


なんで椎名くんがそんなことを聞くの?

まるで、わたしのことを見ていたように・・


「 やっぱり真面目じゃん 」


「 椎名くんはいいよ、いつもトップだし、寝ていても100点とれるんだもん・・わたしの気持ちなんてわからないでしょ? 」


「 何の為? いい大学に入る為? なんかさぁ、そういうのもったいなくない? 」


「 え? 」


「 一度きりの人生、勉強なんていつでもできるけど、高校生活は今しかできない、今しかできないこをやらなきゃって、そう思わない? 」


「 だから勉強してるんでしょ? 少なくともわたしは今勉強して、成績を上げて、それで・・ 」



願いを叶える為に・・・


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