第22話


「 完ぺきな接点ができたじゃん 」


「 え? 」


「 みいちゃんつながりの! 」


  椎名くんとわたしの接点

 

「 う、うん 」


「 そうだ、これ返しておくよ 」


見覚えのある赤色の傘を椎名くんから手渡されました。

 

「 ありがとう 」


「 やっぱ 黒木のか 」


「 椎名くんもあの公園沿いの道を… 」


「 それよか、お弁当食べたら? 」


「 で、でも 」


「 もう誰も来ないから 」


「 他のところで食べます… 」


「 だよな、俺、嫌われているんだった、ここにいたら目ざわりだよな、みぃちゃんバイバイ、じゃあ!ごゆっくり〜! 」


私が嫌いって言ったこと、椎名くんもしかして気にかけてたの?


あの時は・・・


みんなに問い詰められて、感情的になっていたからあんなふうに言ってしまったのに。


悪ふざけでキスをしたり、チャラいだけの人っていうイメージしかなくて、憧れなんて一瞬に消えてしまったから…でも…

 

デート用のチケットを作ったりして、ふざけたような感じだけど、女性に対してちゃんと計画的に、まじめにお付き合いしているみたいだし


永野先輩にせがまれた時も手を繋ぐことさえ拒んでいた。


あなたのことが良く分からなくなってきた。


みぃちゃんを助けてくれた命の恩人ということだけは確かで、もし、あのまま放っておいたら今頃みぃちゃんは、冷たい雨に打たれて大変なことになっていたかもしれない。


そのことに関しては逆にお礼を言わなくちゃですよね!


「 待って! 」

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