第13話


「 や、やめて!! 」



「 痛ッ! 」



くしゃみした瞬間、何が起こったのか自分でも理解できなくて、足がガクガクして、全身がブルブル震えて、涙まで出てきたりして



でも、そんな気持ちは少しもなかったのに、無意識に椎名くんの頬に爪をたててしまった。



「 ご、ごめん・・ 」



「 気にしないで、慣れてるから 」



椎名くんは頬をおさえながら、フッと笑みをこぼした。



「 フラれたの、今日 これで2回目だし・・ 」



 に、2回 !?



椎名くんの頬をよく見ると、わたしが引っ掻いた反対のほっぺにも小さな引っ掻きキズがついていた。



椎名くんてただの遊び人なんだ!



女子なら誰でもいいんだ!



しかも無理矢理、マスクの上からキ・・キスをするなんて・・・・・



「 椎名くんて…最低! 」



こんな人に憧れていたなんて



わたしはバカだ!



「 どうしました?・・早くふたりとも教室へ入りなさい、時間過ぎてますよ  」



入るぞ!



うわアッ!?



椎名くんに引きずられながら教室の中へ突入しました。




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