第11話




「 ふ〜ん 」



ヒャッ



まともに見れない



「 おまえって無口だと思ってたけど 」



ち、近い、近すぎです〜



「 喋るんだ  」



「 それは・・椎名くんが話しかけてくれたから・です 」



「 おめでとう 」



右手も捕まってしまった。



「 な、なんですか? 」



「 皆無解消のお祝いに決まってんじゃん! 」



理にはかなっていると思います、けど、なんか大袈裟すぎません?



「 手も繋いでるから接点もクリアーしたし・・・ 」



「 そういう意味じゃなく・・・ 」



「 あとは恋人同士になれば・・ 」



え!?



「  いいよな? 」



「 そ、そんなこと一言も言ってない・・ 」



「 動くな! 」



「 は はぃ 」



「 マスク 外せよ 」



「 嫌だ 」



「 なんでだよ 」



「 死んでも嫌だ! 」



・・・



「 まぁいっか 」



もう片方の椎名くんの手が、俯いていたわたしのアゴをくぃっと、もちあげた。



「 ちょっと!・・な、な、・・ 」



「 目を閉じて 」



「 何をする気?・・ 」



「 恋人同士になるため 」



「 へ  へんな冗談は・・や・・やめて・・・ 」



「 やめたらなれないよ? 」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る