第6話・少女の誓い
朝日がもうすぐ登る頃だろうか、まだ寮の生徒はほとんどが寝静まっている時間だが、
一人の少女は違った。
次から次へと剣を振るう、黄金に輝く長い髪を後ろにまとめ、ただ黙々と剣を振るい続けている。
「はぁ…はぁ……ぁ」
頬から流れる生暖かい汗を拭い、再度剣を振る
「こんなんじゃ駄目よ、なんで思った動きに身体が着いて来れないの…」
この二週間、あの男を見てきた。あいつは口だけじゃなく確かに強い。多分私が見てきた同い年では間違いなく最強クラス…
なんであんな奴が…
剣術が恐ろしく速く、強い。まだ二週間ほどしか経っていない現状で、もはやこの学園に彼を相手に一分も剣を交える事が出来る剣士は居ない。
それなのに学力は私と同等くらい、
私が次席なのも納得が行く話だわ
ならば私に勝機があるのはマナの力、と思いたくなる。
確かに彼は魔術をあまり使わない。でも苦手としている訳では無いはず、なぜなら彼は魔術など必要が無いと思えるほどの剣の腕があるからだ。
彼とあの時、友人に慣れていたら、クラスメイトとしていいスタートが出来ていれば、気になる事や剣の事、気軽に聞けるような関係になれれば…
「こんなんじゃ駄目ね、私」
私がこの学園に来た目的、パラディンに選ばれる為にも、こんな所で負けてられない。
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