第32話 領地拡大と、装備新調
我が領土は食料こそギリギリだったが、行商人も来るようになって賄えるように。
ピエラの両親が売る錬金アイテムのおかげだ。これが売れに売れた。
畑での収穫はまだまだだが、時間の問題だろう。
気がつくと、領土の整備だけで数日が経っていたではないか。
「クニミツ、ダンジョンの攻略は?」
モモコに言われて、ようやく事態に気づくくらいである。
ヤバい。かなり領土拡大が面白くなってきてしまった。
「わかってるんだが、もう少し考えようぜ。あそこは道程が長いし、敵が強い」
魔物たちが強くなってきている。装備の見直しが必要だ。
あのダンジョンは大きい。攻略に時間がかかりそうである。火炎放射器以外にも、武装をどうにかしないと。
「武器を強化するために、ダンジョンに潜るとするか」
「賛成」
一旦、【クジラの歯】にある【世界の裏側】で素材を集めた。武器錬成に使えそうなアイテムを、ダンジョンやモンスターから採取する。
「やっぱりコイツら、固いし数が多いよ」
そろそろ、拳銃ではダメージが入らん。愛銃の強化をするか。
「でも、落とすアイテムはいいものばかりだな」
さすがに難関ダンジョンだけあって、モンスターがいいアイテムを落とす。ここでレベル上げをしてもいいだろう。ファイトスタイルの見直しもしたい。
【かまど】と【作業台】をフル稼働して、装備を少しでも強くした。
「ボクも、遠隔武器を作りましょうか?」
一応ピエラには、しゃべる武器の【ケラウノス】がある。武器は必要ないと思っていたが。
「魔法が使えなくなる事態があるかもだから、考えておきたいの」
たしかに、あの世界ならそんな攻撃も飛んでくるかも。
『我は遠近両用での使用が可能である。しかし、我が手元から離れるとピエラは無防備なのである』
「それは困ったな」
実際、ピンチになる場面はいくつもあった。オレたちが銃を持っていなかったら、全滅だってありえたかも。
では、と、防御面に力を入れることにした。
「素早さを上げる靴を作ってみた。戦闘より逃げる用だな」
他にも、回避率を上げる宝珠をローブに取り付ける。
かまどを使って武器のクラフトしている時間を使って、さらに領地の整備に熱を入れた。
ワントープだけでなく、アンファンの街でもスカウトを行う。
狩人を二名、新規で加入する。アンファンの宿屋にいた料理人も、一人が入ることになった。これでまた、領地が潤う。
大きく寄り道をしたが、装備も整った。
再度、【世界の裏側】を巡る。が、失踪した冒険者の骨は見つからなかった。彼らで最後だったらしい。
そんなに骨は集まらないか。
また、寺院での生存率も低い。かなり運が良くないと蘇生はできないようだ。まあ、蘇生自体が奇跡のようなものだから。
しかし、こんなヤバいダンジョンに冒険者を誘い込んで好き勝手しているとは。
「許せないね」
「ああ。モモコ、やっちまえ!」
オレはランチャーを構えて、ザコの群れを吹っ飛ばす。
モモコの武器は、マシンガンになっていた。ムダに二丁構えて、自分を囲む敵をハチの巣にする。
お互いまだまだ威力は低い。が、ザコ相手なら十分だ。
胸や頭を撃たれて、魔物たちがアイテムをドロップしていく。
「くらえ!」
硬い装甲を持った魔物は、ルイの斧で両断してもらう。
「お見事」
「いや、クニミツの腕がいいんだ。こんなに切れ味のいい斧を作れるんだから」
とんでもない。ルイの腕力が、飛躍的にアップしているのだ。
ピエラの新魔法【ブラスト・レイ】も、大活躍している。一度放てば、ほとんどの魔物が蒸発していく。
「進行具合は、どれくらいだ?」
「まだ三分の一も終わってないモジャ」
ウニボーが、戦闘状況を見定めた。
結構、時間がかかるな。
「装備は揃っているから、ここからは楽かもしれないモジャ」
だといいが。
「……なにか来るモジャ! 表ボスのウミガメより強いモジャ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます