第2話

第2話

ドンドンドンドン

「金沢さん、早くお金を返してもらいましょうか、居るのは分かっているんですよ」

金沢良太23歳、家にひき持って7年、親に迷惑をかけまくっている。

ゲームにはまり、家族に見捨てられお金も無くなった所に闇金に手を染まってしまった、そしたらこのざまだ。

「早く、出てこい!居るのは分かっているんだよ!」

ヤクザに追われ毎日、扉を叩かれる日々の繰り返しだ。

どうしてだ、どうしてこんな性格になってしまったんだ引きこもる前は、こんなんじゃなかったのに・・・・。

俺は、布団にくるまって過去について思い出し始めた。

高校に入り、普通の高校生活を送っていたが、同じ中学の友達が先輩に絡まれていて始めは助けようとしたがやり返しが怖くて見て見ないふりをした。

ある日、帰っている途中に友達に絡んでいる先輩達が他の人を公園の隅っこで殴ったり、蹴ったりしていた。

「やり返して来いよこのゴミムシが!」

「やめてください、何でこんなことをするんですか」

殴られている人は、必死にもがいているが、人数の差のせいで一方的にリンチにあっているだけだった。

ただ俺は、何もすることもなくそこに立っていた。

数分後

「チっ、おもんなお前ら帰るぞ!」

俺は先輩達と目があった、俺は、さっと、目をそらした。

先輩たちは何も無かったのように街に消えていった。

無意識に、ふらふらと立ち上がる人を見て、こんな人生になりたくない、心の中にそう決めた。

次の日、屋上でご飯を食べようとして階段を上がって、扉に手をかけると、何やら外が騒がしかった。扉の隙間から外をのぞくと友達が殴られていろいろな所から血を流していた。

「あーあ、つまんなもっとあがけよ」

「うぅ・・・・」

アニメで見たような状況になっていた、こんなのがあっていいのか、なんってカッコいい妄想をしている自分が恥ずかしくて、惨めで、消えたくなるような感情になるなんて思っていなかった。

心では、行かなくていい、俺なんかが行ったてどうにもならないとなんて分かっているって、でも、体が言うことを聞かなかった、そんな俺の行動に後悔した。

「先輩たち、何やってんですか、先生呼びましたからね」

もちろん、先生なんって呼んでいない。こんなんで、先輩たちが身を引いてくれたらいいなって感じだった。

「なんだよ、おもんねぇな、昨日といい、今日といい」

退屈そうに髪をガシガシと掻いて、屋上を後にした。

その時に、先輩の一人が俺の耳元で、

「君、面白いや次は君の番ね♪」

ビックとなったが、友達が倒れている状況でその内容が頭に入っ来なかった。

すぐに友達のもとに駆け付け

「大丈夫か!」

心配して声をかけたが、返ってきた言葉は俺が想像するのとは全然違うかった。

「お前って、クズだよな、いつも見て見ないふりをしていて、、、」

そこまで言って友達は走って屋上を後にした。

俺はただそこに立ち尽くすしかなかった。

その後は想像道理に先輩たちから殴られ、カツアゲなどの様々なイジメを受け、俺は、引きこもりとなった。

まぁ、過去について思い出しても今の状況が変わるわけでもないし、ただむなしくなっただけだった。

「クソ―!」

パリン 

珍しくモノにあたってしまった。

ガラスが割れ中に入っていたものが出てきた。

片付けをするために散らばったものを拾うとあるものに目を奪われた。

【窮屈な世界を抜け出しませんか  転生屋  住所○○○○―××× 】

って書かれたプリントがあった。

なんだこれは?

バカバカしいと思ったが、なぜか自分の人生を変えてくれるような気がした。

行ってみるか。

俺は、着替えて慎重に歩き玄関に近づいた、ドアをゆっくり開け、隙間から周りを見て近くに人の気配がないことを確認すると急いで外に出た。

暗い夜道を歩き、目的地まで人目の着かない路地を通った。

スマホで現在を確認し、あと少しの所で後ろから声をかけられた。

「お兄さーん、ちょっといいかな、もしかして金沢さんですか~」

バレたか、

「お前、金沢だろう、サッサと金を返してもらおうか、お前が家から出るのをずっと待ってたんだよ」

「うぅうわー!」

俺は無我夢中で走った、後ろから何人ものヤクザが俺を追ってくる、あと少し、あと少しで着くのに、捕まりそうになった時、目の前に目的の店が見えた、死力を尽くし店の中に入った。


 カランカラン

店に入ると若い男の人が出迎えてくれた。

「いらっしゃいませ、どうぞそこに座ってください」

俺は、途切れ途切れの息を整え椅子に座った。

「今晩は、私はこの店の店主の出雲輪廻といいます」

綺麗なお辞儀をしてきた。

「今日は、どの・・・・」

そこまで、出雲さんが言うと店の扉が雑に音を立てて開いた。

「お取込み中すいませんね~、金沢さん早くお金返してもらおうか」

数人のヤクザが店に入って来た。

「おい!連れていけ」

俺は腕を掴まれ、連れていかれそうになるが、

「私のお客様に何しようとするんですか?」

「あぁ、あんたには関係ないことだよ!」

「いいえ、ここは私の店なので関係ない事は無いです」

出雲さんは、ひるまずに助けようとするが、なかなか俺の腕を放してくれない。

「では、一つ提案をしましょう」

出雲さんは、何かをあきらめたように言った。

店の中にいる人の注目を浴びながら

「数分待ってください」

何言ってんだ、コイツ?そんな顔をしながらその場にいる人がみた。

「数分待ったら彼をこの店から出します、その後に好きにしてください」

とんでもないことを彼は言った。

「チっ、おいそいつを放してやれ」

一人がそういうと俺の腕を放し険悪そうに店からでていった。

「ふぅー。これでひとまずは大丈夫でしょう」

俺の方に振り向きながら落ち着いたように言ってきた。

「あんたは、何を言ってんだどのみち俺は連れて行かれるじゃないか!」

「何言ってんですか、ココはどこか忘れたのかな?」

「はぁぁ、ココは転生・・・・・」

そこまで言って俺は、ハッとした。

出雲は俺の顔をみながらニコニコしてきた。

「そうです、ココは転生屋あなたに合った異世界に転生させる店ですよ」

「本当に俺を転生させることが出来るのか」

「えぇ、本当ですとも、では、時間もないことですし早速、転生しましょうか」

そう言うと紙とペンを俺に渡して来た。

色々な事が書いていて、俺はそれに書いていく。

「書き終わったぞ」

俺は、紙を渡した、それを確認され奥の部屋に呼ばれた。

「この真ん中で寝てください」

「なんだこの部屋は!」

俺は、驚いたなぜなら部屋中に魔法陣みたいなものが書いており、真ん中には、黒く焦げた跡があったからだ。

「さぁ、この真ん中で寝てください」

「本当にこんなんで、本当に転生できるのか?」

「えぇ、できますとも」

俺は、覚悟を決めて魔法陣の真ん中に行き寝ころんだ。

「では、今からあなたを転生させます」

出雲がそう言うと、いきなり俺の意識は薄れていった。


―その後の店の様子―

「おい!まだか早く、身柄を差し出さんかい」

ヤクザたちが店の外で騒いでいる。

「おやおや、外が騒がしくなってきましたね」

私は店の扉を開けた。

「遅いんじゃボケ早くしろよ」

店の中にまた続々と入ってくる。

「おい、あいつはどこにいるんだ」

「奥の部屋にいます」

「そうかそれを早く言わんか」

そして、奥の部屋に 招待 した。

全員が部屋の中に入ると、扉を閉めた。

「おい、いないじゃないか!」

「おやおや、さっきまでいたんですがね」

「嘘ついてんじゃないだろうな」

ある人が扉を開けようとするが

「おい、開かないじゃないか」

そしたら、ヤクザ達が騒ぎ出した。

「おい、テメェ、何しやがるんだ」

「早く出しあがれ!」

うるさい程にしゃべるより、叫んでいると例えた方が良いだろう。

私は、無言で手をヤクザに向けた。

そして、無言で 放った。

「ふぅ、少しは静かになりましたか」

部屋には生ゴミが散乱していた。

「後かたずけが面倒ですね~、そろそろ、バイトの子でも雇おうかな」

ごみ袋に生ゴミを入れて処理をした。

「やっと、終わったー」

体を伸ばしながら、部屋に戻った。


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転生屋~ココではないドコかえ。市民も罪人も、私の大事なお客さまです!~ SKY @20221020

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