第11話 清楚系ビッチな妹友に家庭教師をすることになった件。その①
――清楚系ビッチの妹友の家で、家庭教師をすることになった。
「……ほら、この子、撮影の仕事が忙しくて、最近成績が心配なのよ。……けど、こう見えて人見知りだから……」
「人見知り?」
そうかな? 初めて家に来た時も、やけに積極的だったけど。
「再来週大事なテストがあるから、お願いできないかしら。もちろん、バイト代は弾むわ」
「あの! ちょっと待ってください。一応俺も、もうすぐ中間試験が……」
「ねぇねぇ、
「?」
『……あの子のパンツ晒したって、本当……?』
「――喜んで! 家庭教師させていただきますッ!」
◇◇◇
「……とは言ったものの、どうする俺」
うわー、リビングもすごいオシャな家ー。なんて思っていると。
ずん。
後ろから、オッサンのしかめ顔が超至近距離。
「え、ええ……と?」
「……父でーす(棒読み)」
「あっ! どうもこんにちは、小方で……」
『……手出ししたら、……削ぐ……そぐ……そぐ……ぐ……そ……』(耳元)
――あ、圧がすごい……ッ!
「お父さん? どうしてここに?」
「……ッ、ほのか、オレはまだ認めて……」
「邪魔してないで、早く仕事に戻って」
ものすごく心残りな表情の西川父を、西川母が連行する。その姿を西川さんが遮るようにして、
「……お兄さん、あの、……ここじゃ集中できないから、その……部屋、くる?」
◇◇◇
「あの、どうぞ」
「お邪魔、します……」
(わわ、女の子の部屋なんて初めてだ、めっちゃ落ち着かない)
「あ、なんか、スゲーいい匂い」
「……ローズオットーです。このアロマ、リラックス効果があるんですよ」
「へぇー。オシャレ―」
素直に関心していると、ぐい、と西川さんが接近してきて。
『……ちなみにこれ、催淫効果もあるそうですよ。……ムラムラしませんか?』
「……ッ」
「……あれ。思ったよりも反応が薄いですねぇ。むむ、お兄さん、……なんだか最近慣れてきてません?」
「たしかに。……警戒のしどころを心得てきたのかもなッ。フフン」
完全に虚勢だったが、胸を張ってみせる。しかし。
「ふぅん。……じゃ、手加減しなくていっか」
「え?」
バサ、と着ていたカーディガンを脱ぎ捨てて、そのままもう一枚、……って、え!?
「ふー、なんだかここ、暑いですねぇ」
ノースリーブのキャミソールの裾が、ギリギリで太ももの付け根をかろうじて隠している。一気に増えた肌色に、思わず体温が上昇し、
『……さ、勉強しましょ、家庭教師のお兄さん?』
「お、おう……っ」
言いながらも、思わず視線が釘付けになる。肩のラインから脇、その先に延びた曲線がどうにもなまめかしくてその先の腰まわりの肉付きが……、
(……いや待て待てそれ以上はやめろ、ガン見すな! 取り返しがつかない事態になる!)
そんな俺の思考を見透かしたのか、
『あー♡ ……お兄さん、もしかして……エッチなこと考えてますか?』
「ッ!」
『……いいんですよ、ガマンしなくても。……好きなだけ、わたしでムラムラしてくださいね、お兄さん……ッ♡』
「……ッ、ちょ、いったん離れてくださいマジで!」
慌てて距離を取るが、触れなくても自分の顔が熱くなっていることがわかる。逃げ場もないし、これはいつになくピンチなんじゃないのか、俺。
「ん?」
ドキドキしながら視線を移すと、机の上に小テストが乗っている。何も考えずに手を取ると。
「――じゅ、12点?」
「あっ、お兄さ、……そ、それはッ」
ぴき、と自分の中の何かがスイッチオン。籠っていた熱が一気に引いて、
「………………西川さん?」
「え、はい……」
「――これ、マジで勉強しなきゃ、だめなヤツでしょうが!!」
「……、すみませんっ」
――しばらく説教タイムが続いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます