そのあと

 町から少し離れた霊園に、華美過ぎず地味過ぎない装飾が施された墓が建てられた。

 墓石には名前は書かれておらず、文章が綴られている。


「賢く、優しく、人に寄り添い生きた大いなる鹿、私の友ここに眠る」

「願わくば彼の眠りが永劫に妨げられることの無いように」


 目を真っ赤に腫らした女性が、その墓の前で呆然と立ち尽くしていた。

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身を切る寒さ アイアンたらばがに @gentauboa

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