第6話
(こんなデカい奴……見たことがないぞ……)
俺は少し恐怖を感じた。
「私に任せてください!」
ルミアは自信満々に言った。
「わかった……。頼む……」
俺が下がると、彼女は前に出てきた。
「いきますよー!!ホーリーランプ!!」
彼女が叫ぶと、光の柱が現れ、ゴブリンに向かっていった。
光の直撃を受けたゴブリンは一瞬にして消滅した。
「すごいな……」
俺は感心した。
その後も順調に進んで行き、ついに目的の場所に着いた。
そこは洞窟の入り口だった。
「ここに……スライムがいるのか……」
「はい……」
「よし!じゃあ……さっそく入るか……」
俺たちはそのまま中へと入っていった。
中は薄暗くて、とても気味が悪かった。
「なんか……不気味ですね……」
ルミアも怯えているようだった。
「ああ……。気をつけて進もう……」
それから奥まで進むと、スライムが数体現れた。
「あいつらを倒してから、さらに奥へ進むぞ……」
「わかりました!」
そう言って、俺は剣を振り上げた。
「ハアッ!」
一撃で全ての敵を斬り裂いた。
ルミアも負けじと、次々と倒していった。
「これで最後だな……」
最後の一匹を倒し終えると、再び先へ進んだ。
さらに進んでいくと、
今度は二体のモンスターが姿を現した。
片方は普通の人間ぐらいの大きさで、もう片方は犬のような見た目をしていた。
「あの魔物たちは……なんでしょうか?」
ルミアが不思議そうに聞いた。
「おそらく……ボルボトとワーオウルフだと思う……」
俺は昔、本で読んだ知識を思い出しながら話した。
「そうですか……。では……私が倒しますね!」
そう言って、ルミアは呪文を唱えようとした。
「待ってくれ……!ここは俺にやらせてくれ……」
俺は彼女に頼んだ。
「えっ……?どうしてですか……?」
「君には助けられたからな……。お返しをしたいんだよ」
「そんなのいいですよ!」
「いや……!俺はやりたいんだ……」
俺は真剣に訴えかけた。
「わかりました……。頑張ってください……」
彼女は微笑みながら言った。
「ありがとう!」
俺は礼を言うと、剣を構えて走り出した。まずは手前にいる方の敵に向かった。
(速い……!)
予想以上のスピードだったため、反応が遅れてしまった。
気づいた時には、既に目の前に迫っていた。
「くそっ!」
なんとかギリギリのところで回避することができた。
だが、安心している暇はなかった。すぐに次の攻撃が迫ってきていたからだ。
(このままだと……やられる!)
そう思った瞬間、横から雷が飛んできた。
「危ない!」
ルミアの声だった。
彼女は間一髪のところで避けてくれたのだ。
「助かったぜ!」俺は感謝の言葉を口にした。「気をつけてください!」
彼女は叫んだ。
「わかってる!」
俺は返事をしながら、敵の方に向き直った。
すると、またもや動き出しそうな気配があった。
(今度こそ決める!)
俺は剣を両手に持ち替え、構えた。そして、意識を集中させた。
「ソードスラッシュ!」
必殺技を発動させると、斬撃が敵に襲い掛かった。
技を受けたモンスターは消滅し、その場には魔石だけが残った。
俺はそれを拾うと、ルミアの方を見た。
「やったな……。これなら……大丈夫そうだな……」
「はい!私も援護しますよ!」
彼女は笑顔で答えた。
それから、俺たちはどんどん先に進んで行った。
しばらくすると、大きな広間にたどり着いた。
そこには巨大な怪物の姿があり、こちらを睨んでいた。
「こいつは……」
俺はその姿を見て、思わず言葉を失った。なぜなら……その身体は真っ黒だったからだ。
「こいつが……ブリックゴブリン……」
俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
「気をつけてください……。こいつの力は……想像以上です」
ルミアは警戒するように言った。
「ああ……。わかっている……。いくぞ!」そう言うと同時に、俺は駆け出して剣を振り下ろした。
しかし、その攻撃は簡単に受け止められてしまった。
「なんて力だ……」
俺は驚きの声を上げた。
「離れてください!」
後ろから声が聞こえてきた。
振り返ると、ルミアが呪文を唱え始めていた。
「ライトニングボルト!」
激しい雷がブリックゴブリンに直撃した。
「どうだ……?」
俺は様子を伺った。しかし……全く効いているようには見えなかった。
「嘘だろ……」
俺は唖然とした。
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