第3話

 ドカンッ すると、今までビクともしなかった岩に亀裂が入り、やがてバラバラに砕け散った。

「よし!これで村へ入れるぞ!!」

「良かったですね!さぁ、早く行きましょう!!」

俺たちはすぐに村へと向かった。

村に着いた俺はまず最初に村長のところへ向かった。

「村長、ただいま帰りました」

「おお!無事帰ってきたか!それで……そちらの女の子は誰だね?」

「初めまして、私はイーリンといいます」

「イーリンちゃんというのか……。ところでどうしてそんなに汚れているんだね?」

「実は……」

俺は村で起きたことを全て話した。

「なんと、そんなことが……。それは大変だったね……。それで……イーリンちゃんはこの村に住まわせてほしいということかな?」

「はい……。その……ダメでしょうか?」

「もちろん構わないよ。むしろ大歓迎だよ。こんなに可愛い子が来てくれるなんて嬉しい限りだよ」

「ありがとうございます!!」

「ところで……タクマよ」

「はい、なんでしょう?」

「お前は本当に強いな……。正直驚いたよ」

「いや、それほどでも……」

「そこで頼みたいのだが……イーリンちゃんと一緒に冒険者になってくれないか?」

「えぇっ!?」

「お願いできませんか?」

「う〜ん……」

俺は少し考えた後、答えを出した。

「わかりました。一緒に行きます」

「本当かい!?助かるよ!!それじゃあ早速手続きをしてこようか!」

こうして俺は彼女と旅をすることを決めたのであった。

「それではこれからよろしくお願いしますね!」

「こちらこそよろしく頼むよ!」

こうして俺は彼女とパーティを組むことになった。

その後、俺たちは宿屋で部屋を取り、明日に備えて早めに就寝することにした。

翌日

「おはようございます!」

「あぁ、おはよ……」

「朝ごはんが出来ていますので、すぐに食べちゃって下さいね」

「わかった……。すぐ行く……」

「あっ、それと今日は依頼を受けに行くんですよね?私も付いて行っていいですか?」

「別にいいけど……」

「やったー!ありがとうございます!!」

「いや、そこまで喜ぶことじゃないと思うが……」

俺は彼女に背を向けて着替えを始めた。

「きゃっ!?ちょっと待ってください!!」

「んっ?どうしたんだ?」

「いきなり服を脱がないでくださいよ!恥ずかしいです……」

「おっ……悪いな……」

俺は彼女の言葉を聞いて急いで服を着替えた。

「よし!準備できたぞ!それじゃあいこうか!!」

俺は勢いよく立ち上がった。

「はい……ってまだご飯を食べ終わっていないのに……」

「ごめん……。なんか急ぐ気持ちが抑えられなくて……」

「ふぅ……仕方ありませんね……。ゆっくり食べることにしましょうか」

こうして俺と彼女はゆっくりと朝食を食べることにした。

「いらっしゃいませ〜」

俺と彼女はギルドにやってきた。

「依頼を探しに来たんですが、何かありますか?」

「そうですね……」

受付嬢が一枚の依頼書を取り出してこちらに見せてきた。

「こちらなどいかがですか?」

「どれどれ……どんな内容ですか?」

「はい。最近この辺りの森に凶暴な魔物が出るという噂がありまして……。それを退治してほしいのです」

「なるほど……」

「報酬の方もかなり高いですよ!どうですか?」

「ちなみに討伐対象は何ですか?」

「はい……。オークカイザーです」

「えっ!?」

俺は思わず声を上げてしまった。

「どうかしましたか?」

「い、いえ……。なんでもないです……」

「もしかして……この魔物のことを知っているのですか?」

「い、いや……そういうわけではありませんが……」

「そうですか……。それなら安心ですね!もし知っているようでしたら教えてもらおうかと思っていましたが……」

「そ、そうですね……」

「それで……受けてもらえますか?」

「すみません……。今回は遠慮しておきます……」

「そうですか……。わかりました……。またの機会にお願いしますね」

「はい……。それでは失礼します……」

俺は足早にその場を去った。

「あの……大丈夫なんですか?」

「ああ……。問題ないよ……。それより……早く宿に戻って作戦会議をしようか!」

「はい!」

俺たちは一旦宿に戻ることにした。

「それじゃあ早速だが……今回の敵について説明させてもらうね」

「お願いします!」

「まずは……見た目だな。オークの上位種であり、通常のものよりも遥かに大きいらしい。そして……何より厄介なのはそのパワーだな。普通のオークでさえ人間にとっては脅威になる存在なのに、それが上位種であるとなると尚更だ」

「そうなんですか……。それは確かに強そうですね……」

「まぁ……見たことがないからあくまで噂だけどね……。次に能力だな。奴は炎を操ると言われている。しかも普通の魔法ではなく、自身の肉体を使って行うそうだ」

「それは……恐ろしいですね……」

「うん……。だから気をつけないといけない。それから……弱点に関してはわからない。実際に戦ったことがある人はいないからね……。とりあえず、気をつけることは以上かな」

「わかりました!それで……どうやって戦うのですか?」

「基本的にはいつも通りでいいかなと思っているよ」

「それで……勝てるでしょうか?」

「やってみないと分からないな……。とにかく……できる限り頑張ろう」

「はい!!」

俺たちは明日に備えて早めに就寝することにした。

翌日

「いよいよ出発の時間だな」

「はい!」

俺たちは馬車に乗り込んで出発した。

「ところで……どこに行けばその森に着くんだ?」

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