第9話 猫耳
炎の剣をナナが試しに振ってみると、剣から勢いよく炎が吐き出されました。その様子を見て、2人は呟きます。
「「なんだか、狐につままれた気分だ」わ」
「こうかい?」
「「痛たたた。夢じゃない」わ」
2人とも、イナリに頬をつままれて、痛みで我に返るのでした。
こうなると、メイの剣もどんな魔剣になるのか気になるところです。
メイは猛烈にトレントを伐採します。ナナのアシストもあり、トレントの森を更地にする勢いで切りまくります。
そして、とうとう、メイの剣も進化の時を迎えました。
「さぁ、剣を進化させるわよ!」
「なんだかドキドキするな!」
メイは画面を操作して、剣を進化させました。
すると、剣が眩いばかりの光を放ちました。
「「眩しい!!」」
あまりの眩しさに、2人は目を瞑ってしまいました。
光が収まり目を開けると、メイの手には猫耳のついたカチューシャがありました。
「猫耳カチューシャって書いてあるわ……」
「魔剣じゃないんだな……」
メイが腕輪の画面の表示を読む傍らで、ナナが残念そうに呟きました。
メイとナナは顔を見合わせ呟きます。
「「なんだか狐につままれた気分だ」わ」
「こうかい?」
「「痛たたた。夢じゃない」わ」
2人とも、イナリに頬をつままれ、現実に返ってきました。
「武器以外も作れたのね」
「これって、鍛冶職人の仕事なのか?」
「メイ、細かな説明を見てみなよ」
正気を取り戻したメイとナナが改めて猫耳カチューシャを見て呟くと、イナリが詳細を確認するように言いました。
「猫耳カチューシャ;防御力向上、身体能力向上、状態異常無効化……」
「なんだ、その状態異常無効化って……」
メイが画面の詳細表示を読んでいくと、ナナが呆れた顔で呟きました。
「麻痺とか石化とかしなくなるよ。毒も効かなくなるし、風邪もひかなくなるから便利だよ」
「「いやいや、そういうことじゃなくて」」
イナリが状態異常無効化について説明すると、メイとナナは2人そろって突っ込みました。
「これってもう、アーティファクトよね」
「ああ、ダンジョンの奥深くでしか手に入らないと言われているマジックアイテムそのものだな」
「ダンジョンで手に入る程度のものなら腕輪の力で作れるはずだよ」
「「ええええーーーー!!!!」」
イナリの爆弾発言に、メイもナナも目ん玉が飛び出るほどに驚くのでした。
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