第3話 新たなミッション
メイは近場のダンジョンへ入り、魔物を倒してナイフを鍛え続けました。ゴブリンや角兎など、ハンター初心者向けの魔物を数十体倒したところで、また品質が向上しました。
「良品質が高品質になったわ!」
「やったね、メイ。おめでとう!」
「ようし、この調子で最高品質を目指すわよ!」
「残念だけど、今のメイでは最高品質まで上げることは出来ないよ」
張り切るメイに、イナリは真実を伝えました。高品質の先に最高品質があることは既に伝えていましたが、今は無理だとはっきり告げたのです。
「どういうこと?」
「練度が足りないということだよ。しばらくの間、何本もナイフを作って品質向上に励むと練度が上がるよ」
「ふうん、修行が必要なのね……。なら、今度の納品までに出来るだけ多くの高品質ナイフを作りましょう」
イナリのアドバイスに、メイは気持ちを切り替えて、納品用のナイフを鍛えることにしました。
それから3日、メイは合計9本のナイフを高品質ナイフへと鍛え上げると、取引先の商会へと向かいました。
商会長は高品質のナイフに驚いていましたが、これなら売れると喜んで受領してくれました。
「無事に納品できて良かったわ。これもイナリのおかげよ。ありがとう」
「メイが頑張ったからだよ。それより、もっとナイフを鍛えて練度をあげようよ」
「そうね。頑張るわ!」
無事に納品できたことを喜んだあと、メイは練度を上げる為にダンジョンでナイフを鍛えまくるのでした。
「あ、なんか表示が出たわ。『新ミッション』だって」
「やったね、メイ! ミッション画面を開いてみてよ」
「分かったわ。ミッション画面は……」
ミッション画面を開くと、新しいミッションがありました。
『魔石を砕いて武器を鍛えろ!』
「魔石を砕くって……」
「ナイフで魔石を切ればいいんだよ」
「いや、刃こぼれするでしょ?」
「いいから、いいから、やってみようよ」
逡巡するメイに、イナリは、大丈夫だといわんばかりに背中を押します。
メイは手持ちの魔石を取り出して、軽くナイフで切りつけました。すると、魔石が砕けて光の粒となり、ナイフに吸い込まれてゆきました。
「魔石って簡単に砕けるものなのね……」
「腕輪の効果だよ。普通は魔石を砕くなんてほぼ不可能だからね」
「そうなのね……。なんだか狐につままれた気分だわ」
「こうかな?」
「痛たたた」
またしても、イナリに頬をつままれるメイなのでした。
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