side//沙和ちゃん
私は家に帰ると、今日のことを思い返していた。
♣♣
今日、バスケ部に行くと、たまたま男子バスケットボール部が横でやっていた。
何となく見てみると、そこには見知った人がいたのだ。翔だ。それもカッコ……いや何にもない。
翔は私に合図をすると、さっきまで押されていたチームを見事に逆転して見せて笑って見せた。
そんな姿に思わず、目を奪われてしまっていた。あんなガキに……。
それになんで私は翔に可愛らしく手を振っているんだ…。
「お熱いねぇ……」
なんてチームメイトが茶化してくる。思わず、大きな声で否定してしまう。
「ち、違うから!あんなチャラいガキんちょなんて……」
「乙女の顔してましたぜぇ、姉御!」
「だから違うってぇ……」
そんな会話をしていると、バスケ部の集合がかかったために、翔のことを見るのは見納めである。
別に惜しくは無いけどね?、うん。
♣♣
こんなことがあったのにだ!翔という男は女の子をたらしているのだ。それでも私はただの友達、いや知り合いと思っている。
そんなことを思っていると、翔が帰ってきた。私は冷静に、今日の学校のことを聞く。あの女の子のことは遠回しに聞こう。
「お、おかえりなさい。どうだった?初めての登校は」
「楽しかったよ。新しい友達もできたし」
新しい友達なんだ……。翔に友達ができることは嬉しいことだけど、友達かぁ……。同級生の可愛い女の子。
別に翔は何にも思ってないかもしれないしさ。
「へ、へー!その友達はどうなの?いい子なの?」
私、ちゃんと聞けてるよね?翔と女の子もさすがにそんなに進んでないと思うし、どうでも良いけどねぇ……さすがにしつこいか。
「良い子だよ、普通に息が合うし。それに俺のことかっこいいって褒めてくれてたし」
かっこいい!?ま、ま、待ってよ!女の子、攻めすぎでしょ。私もまだ心の中で思ってるだけなのに。
「ほ、本当に……。よ、良かったね」
うわぁ……。顔に出てないかなぁ。なんで翔のことで一丁前に動揺したり、傷ついたりしなきゃいけないの。あぁ、もうっ!知らない!
私は勢いよく目の前にあったカフェオレを飲もうとする。が、もうそれは空っぽで、翔に笑われてしまった。
年下なんか好きならないのに。というか、あの約束のこと覚えてないよね……。あの時、舞い上がって言ってしまった、あの言葉を。
『えっちなことでもなんでもしてあげる』
なんて……っ///
♣♣
星が欲しい(挨拶)
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