第10話「地平線と水平線」
理子「地平線ってみたことある?」
美世「地平線? あるある!」
理子「え? うそ!? どこで?」
美世「海行けば、普通に見れるじゃん」
理子「あのね、それ、水平線だから」
美世「え? 水平線?」
理子「私が聞いたのは地平線」
美世「どう違うの?」
理子「あのね、水平線はどこまで行っても海が続いていて果てが見えないやつ。地平線は、どこまで行っても、大地が続いていて果てが見えないやつ」
美世「あー。そっか。それじゃあ地平線は見たことないかも」
理子「美世は適当だな」
美世「理子は? 見たことあるの?」
理子「ない。だから見てみたいと思って」
美世「どこに行けば見れるのかな?」
理子「新聞によれば……地平線が日本で見ることができるのは北海道」
美世「北海道!」
理子「どこまでもまっすぐ続く道があるらしい……」
美世「行ったことない! 行ってみたい! 行こうよ! 行こう!」
理子「まあ、でも、これ、車がないと無理なパターンだよ」
美世「免許かー。それはまたハードルが高いですなあ」
理子「そうだよね。まだ大人になるには時間あるしね」
美世「チャリじゃ、無理かな?」
理子「美世のママチャリでは無理だよ」
美世「そうだよねー。地平線見るのって、思いのほか、大変だ……」
理子「でもロマンあると思うな。地球って広いって感じられるよね」
美世「あ。でも、それは水平線でも同じじゃない?」
理子「そうか……。大地の広さと海の広さ。私、実は、水平線、見たことない」
美世「え? 理子、海行ったことないの?」
理子「実は……行ったことない」
美世「うそ!? そんなことってある!?」
理子「あるよ……。美世、馬鹿にしすぎ」
美世「よし! じゃあ今度、一緒にチャリで海に行こう。それで、水平線見よう!」
理子「まずはそこからか」
美世「決まりだね!」
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