第6話「熱狂」
美世「あぁ、ライブ行きたい……熱狂して、はじけたいよう!」
理子「は? 美世そんな趣味あったの?」
美世「憧れなの。ライブハウスって。一度でいいから行ってみたい」
理子「あんなゴミゴミした中で爆音聴いたら、耳が壊れるよ」
美世「それがいいんじゃん。なんか大人世界な感じの非日常!」
理子「大人世界ねえ……。美世。好きなミュージシャンいたっけ?」
美世「それは、別にいないけど。最近、なんかユーチューブで配信しているアイドルの動画見て、すごいなって思って!」
理子「なんだそれ」
美世「なんか何かに熱狂するってエネルギーすごくない?」
理子「それ、観客の立場っていうか、それがオタクというものじゃない? ああいうのが憧れなの?」
美世「なんていうかね。その人たちの熱い気持ちも全部集めて、歌う、アイドルってすごいなって思ったの」
理子「まあ、それはそうかもな」
美世「理子は? 好きなミュージシャン」
理子「バッハ、ショパン、ブラームス、ベートーヴェン……」
美世「お。クラシック!」
理子「私はライブよりコンサート行きたいな」
美世「でも。クラシックって退屈じゃない?」
理子「美世。クラシックを甘くみてはいけない!」
美世「でも聴いてると、眠くなるよ?」
理子「生で見ると、全然違うから。眠くなんて一切ならない。素晴らしい演奏は特に!」
美世「そうなの?」
理子「オーケストラが全身で音を奏でる、よ迫力もあるけど、演奏は、戦いを見ているような感じ、それこそ、熱狂するよ!」
美世「そうなんだ、知らない世界だ……」
理子「じゃあ、今度一緒に行こ!」
美世「行く行く!」
理子「よし! じゃあ、CDかけて予習しよう!」
美世「いやー。それは眠くなるよ」
理子「眠ったら、連れてかない」
美世「ううう……」
理子「どうする!?」
美世「頑張る……!」
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