第5話「便利さと豊かさ」
美世「コンビニってホント便利だよね」
理子「そりゃ、コンビニエンスストアって。便利なお店って意味だからね」
美世「そうなんだ!」
理子「そうだよ。ってか、なんでコンビニ?」
美世「昨日行ったの。なんか何でもショップみたいになっててスゴイなって」
理子「なるほど……確かになんでもあるよね」
美世「でもでも。もっと便利になったら面白いと思わない!?」
理子「え? どういうこと?」
美世「例えば、ほしいものを頼むと届くとか。希望の商品をたくさん並べてくれるとか」
理子「実際の売り上げと商品管理の課題とかありそうだけど、確かに、消費者が求めるモノを適切にお届けするお店に進化していくのかもしれない。それが本当の意味でコンビニ的な?」
美世「それなら、私、もっと行くかも」
理子「でも、なんでもすぐに簡単に手に入る世の中になったらそれはそれで私は嫌だな」
美世「なんで?」
理子「本当に必要なもの、本当に欲しいもの。きちんと自分で考える力みたいなの、なんか、なくしそうじゃない?」
美世「でも、大事なものは、大事だから、大事にするよ」
理子「それはそうかもしれないけど。私の言いたいのは、社会がどんどん便利になっていくのに、それって、私たちの一体何が豊かになっているのかなってこと」
美世「豊かさ?」
理子「そう。暮らしは、確かに、必要なものがそろって、世界ともどんどんつながって移動時間とか効率アップできて、便利になってる。でも、それで結局私たちは何を得るのかな?」
美世「うーん。それは難しい質問だ!」
理子「私は心が満たされていることが豊かさだと思うの。だから。心が満たされる何か。うまく言えないけど。それはきっと便利さじゃ満たせない何かだと思うんだよね……」
美世「便利さと豊かさは違うのか。混同すると心が空っぽになっちゃう感じするかも」
理子「空っぽにならない何が大事だと思う」
美世「心を満たしてくれるものか」
理子「でも、それ、表現するの難しい……」
理子のMO「私たちは虚空を見つめた」
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