第4話「双葉のバランス」

美世「双葉って絶妙じゃない?」

理子「絶妙って?」

美世「そこの鉢植え。新しい芽が出てるんだけど」

理子「あ。ほんとだ。芽が出てるね」

美世「芽が出たの。最近なの。綺麗な双葉だなって」

理子「これが絶妙?」

美世「双葉って本当に左右にバランスよく分かれているなーって、不思議じゃない? そもそも、なぜ双葉なのか?」

理子「んー。まあ、確かに1枚でもいいのか」

美世「そうなの。それがわざわざ二つに枝分かれしている。2枚の葉っぱ。興味深くない?」

理子「例えば、2つじゃないとダメな理由ってなんだと思う?」

美世「2つ……やっぱりバランスかな?」

理子「バランス……天秤みたいな?」

美世「そう。つりあった天秤!」

理子「なるほど。2項対立とかって言うし。《2》って数は、バランスとりやすいのか」

美世「あ。でもでも。天秤だと、片方が大きすぎたり、片方が小さすぎたりするとアンバランスになっちゃうよね。お互いが同じくらいだとちょうどいいけど」

理子「2つでバランスをとることができる条件って意外に限られているってことか……」

美世「その点、双葉はナイスバランスだよね」

理子「確かに。けど、世の中は複雑で難しいことばっかりだし。二つを並べて、バランス取れることばっかりじゃない」

美世「まあ。だけど、双葉みたいに、最初の一歩を踏み出すのには、いいのかも」

理子「考える出発点……。例えば、白か黒か、アリかナしか、そんな感じ?」

美世「そうそう」

理子「そうか……。2つって、考える視点を立てるのにはいいのかもしれない」

美世「ねえ! 私たちはどうだろうね?」

理子「え? 私たち?」

美世「ちょうど二人だし」

理子「確かに」

美世「ナイスバランス?」

理子「絶妙なバランス」


理子のMO「私たちは性格も趣味も違うけど、二人でいると落ち着く。これが友達というバランスというやつなのだろうか?」

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