終焉の未来

僕は、未来を見ることが出来る。


しかも、沢山の。


いつでも見えるから気が散って迷惑だな、と思うこともあるけど見えて楽しいことも沢山あった。


あといいのは、勉強で楽ができること。


まあ別に勉強が嫌な訳じゃないけど、テストの結果も見れるから便利だ。


でも、テストの「内容」は全て同じでもテストの点数は変わっている。


自分がとる「点数」も、そこからつながる『未来』も。


今までは、あまり気にしてなかった。


自分が好きな未来を自分で選べる。


とても素敵だと、思っていた。


でも、好きな子ができたり、友達と遊んだりして思った。


その先まで見えるのは、楽しくないと。


そして、もうひとつ


僕が選んでいる『未来』は、レールの上にあるものでしかないんだと。


そう、わかった途端、悪寒がした。


決まった道しか、歩けていないのだと。


道を外すことは、許されないのだと。


そう思い始めた数日後、見てしまった。


自分が死ぬ未来を。


自分が、飛び降りる未来を。


未来の中にはいつでも終わりはあるが、

それを、その道を、進もうと思ったのは

この人生を、楽しめないと思ったからだろうか。


それとも...

変わり映えしない景色に、飽きてしまったからだろうか。


ひとり消えた。


でもそんなことは無かったかのように、世界はまた動き出す。

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他世界物語 宙ノ海月 @junkai

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