逆
鏡に僕が写った。
水に僕が写った。
食器に僕が写った。
画面に、僕が写った。
その顔は、笑ったり、泣いたり、無表情だったり。
でもすぐに、写った顔は目を逸らした。
いつも通り。
貼り付けたような笑顔も、感情の抜け落ちたような顔も、嘔吐くような苦しげな顔も、
全部、いつも通り。
だって
────僕は、優等生じゃなきゃ。
────いつだって完璧じゃなきゃ。
────そうじゃなきゃ、この世界から押し出されてしまう。
なのに
────なんで、僕は出来ないの?
───ねぇ、なんで?
─────なんで?
━━嫌だ。
─────なんで?
━━嫌、だ。
─────なんで?
━━やめて
━嫌だ。やめて。怖い。嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌
─────ねぇ、なんで
─────...出来損ない
映る顔は、
嘲笑う顔を涙で洗い流して。
さあ、今日も一日を始めよう。
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