第33話 新部隊と新四番隊隊長
いよいよ、集会の時を迎えた! 団員として初めての集会だ。
とりあえず、俺は自身の隊である四番隊に並ぶ
「いよいよだな……一体何を話すのか……?」
すると、教壇には総帥エミリアを中心に左に四番隊副隊長のライム。
右は……誰だ? 知らない奴だ。
マッシュヘアーで紫の目をしたスラッとした体格の男だった。
その後ろ横にオリビアが立っている。
「今から集会を始めます」
エミリアが号令を掛けると、一同静まり返る。
「まず始めに! リバイアサン討伐の件について話を……と行きたい所ですが、まず新しい部隊、六番隊の隊長を紹介します」
そういえば、リバイアサンを倒せば国から部隊を派遣するって言ってたよな。
「前へ!」
すると、右側に立っていた謎の男が前に出た。
「まず自己紹介を、僕はオリアス・アルバレスと言うものです。王宮から派遣され、グロリアに忠誠を誓う者です。以後お見知りおきを」
国から派遣されただけあって、紳士的な口調で名乗り上げた。
「僕の部隊である六番隊は総勢百五十人! きっとこの冒険団の力となるでしょう」
百五十人か……グロリアの総人数の半分だな。
「王宮様から部隊を頂けるとは光栄だな!!」
「しかも、百五十人よ!! 凄いわグロリア!!」
「やっぱり、国から部隊を派遣されるって話、本当だったんだな!!」
団員たちは万歳三唱する。
「それじゃあ! そろそろリバイアサン討伐の話題に映りますね!」
エミリアがそう言って、咳払いすると、団員たちは静まり返る。
「今回のリバイアサンの討伐で、新しく得たものもあれば、失ったものもあります。四番隊隊長マイン・ミルがこの戦いで死にました」
「わたし達はこのことを深く反省し、彼女の託した思いを無駄にしないよう、今後の活動に力を入れていかなければなりません」
「後は頼みます。四番隊副隊長ライム・レウスフィールド」
エミリアはライムにそう言うと、彼の背中をポンッと叩いた。
そして、ライムは前に出ると、話始めた。
「マインさんが死んで、わたしは頭が空っぽでした。一番身近にいた人が、突然いなくなったから……」
「わたしはマインさんの様になるために、この一週間沢山無理をしました。そんな時、一緒にいたある団員が優しく励ましてくれました」
「そして言ってくれたんです。『抱え込むのは自分以外の誰かとするもの』、『それが無理なら自分が一緒に背負う』って……その言葉にわたしは救われました」
「その言葉で吹っ切れたわたしは、総帥や他の上層部みんなと話し合いました。何度も何度も。そして、決めました」
そして、ライムは目をカッと見開いて叫んだ。
「次の隊長には、あなたを指名します!!!」
「シリウスくん!!! わたしはあなたに、四番隊隊長を任せます!!!」
え!? どういう事だ!? 俺が!? ポット出の!!?
「あなたはリバイアサンの本体、ポセイドンにとどめを刺した!! その功績は大きい!!」
「それに、あなたはわたしに『自分を頼ってほしい』と言ってくれた」
「だから、わたしに頼らせて!! シリウスくん!!!」
死んだはずなのに、突然異世界へ飛ばされて、この異形の姿で始まった第二の人生。今までいろいろあったが、俺の中で何かが始まった気がした!
「やっと、ため口で話してくれたな……」
「いいぜ、それが友達の証だ……」
そして、俺は首を上げて叫んだ。
「隊長になってやる代わりに!!! 飯奢れよな!!!」
俺の一言に、周りは爆笑していたが、笑顔で讃えた。
「おめでとう!!! シリウス新隊長!!!」
「結局飯かよ。相変わらず食い意地のある奴だ」
「これからはアンタに任せたぜ!!! 宜しくな!!!」
そんな、俺の新四番隊隊長就任に異論を唱える者はいなかった。
ただ一人を除いて……
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