第24話 決着?
見えた!! マインと……リバイアサン!!!
俺は嫌な予感がしていたが、それが的中していた!! リバイアサンはマインに巻き付いて締め上げる!!
「ヤハリ、ニンゲンジャア、モンスター二ハカテナイ!!」
リバイアサンは今にもマインを絞め殺すつもりだ!! そして、そのまま『鳴門渦』を打とうとしている!!
「まずい、なんとかしないと!! コイツ本気でマインを潰すつもりだ!!」
俺は全力で泳ぐが、二人とはまだ距離があった。
幸いリバイアサンは俺に気付いていない。
「クソッ!! どうする!! この距離だとアイツが攻撃するまでに間に合わねぇ!! 『ブースト』を使うか!!? でも海中で使った事なんてねぇぞ!!」
それに、仮に『ブースト』を使っても間に合う距離じゃねぇ!! もっと強い『ブースト』じゃないと駄目だ!!
「そうだ!!! 『ブースト・強(ストロング)』だ!!!」
『ブースト・強』、中級のブーストだ。
そういえばこの魔法、マインから教えられた魔法だよな。
補足で説明されただけだけど。
俺はその時の記憶を回想する。
「これは、初心者には難しい魔法だけど、ついでにやってみるね」
マインは魔法陣を展開した。
これは『ブースト』をする際の魔法陣だ。
でも何か違うな? 魔法陣の色か? 俺はそんな事を考えていた。
「『ブースト・強』!!!」
マインはそう唱えると、明らかに『ブースト』より速いスピードで直進した!!
「速えぇぇ!!」
俺は口をアングリと開き、驚いていた。
「『ブースト・強』は強化魔法の『ブースト』の強化版と言ってもいいのです。通常の『ブースト』よりも速く直進できる代わりに、その分だけ体力を消耗してしまうのです」
ライムが説明する。
「でも、使えるようになるには、凄く時間がかかるんだ。今のシリウスくんには難しいから、無理には覚えなくてもいいよ。こういうのもあるんだー-ぐらいに思って貰えれば」
マインがそう笑顔で言っていた。ー-
クソが!! このままだと、マインの命が危ねぇ!! 一か八かだ!! 俺は全神経を魔力器官に集中させた!! そして、魔法陣を発動させることに成功!! そして、唱える!!!
「『ブースト・強』!!!」
俺の魔法陣は、普通の水色から、光沢のある水色に変わった!!! そして、押し出される様に、リバイアサン目掛けて突っ込んだ!!! 俺はリバイアサンに接近すると、コイツの後頭部に嚙みついた!!!
「イテッ!! ナンダ!!?」
マインは動揺したリバイアサンの拘束が緩んだ瞬間を見逃さず、脱出した!!
「シリウスくん!!?」
マインは俺を見るなりそう叫んだ!!
「ハナセ!!! ゴラァァァァ!!!」
リバイアサンは狂った様に、体を壁や地面に叩きつけたが、俺の顎はサメの様に強く、俺の歯は鉄の様に固く、刃物の様に鋭い!! だから、伝説の怪物のパワーでも絶対に離れない。
リバイアサンの体液は緑色で悪臭の為、気持ち悪かったが、俺は気合で食らいつく!! リバイアサンは、後頭部から大量に出血しており、動きが鈍り出した!!!
「今だ!!! マイン!!! とどめを刺せ!!!」
俺は叩きつけられてボロボロになりながらも、隙を見てマインにとどめを刺すのを促す!! マインも状況をすぐに理解したようで、渾身の一撃を放つ!!!
「電撃雷砲!!! 『スパーク・キャノン』!!!」
マインは、全身から放たれる電気エネルギーで、巨大な大砲を作ると、その大砲から巨大な電磁砲をリバイアサンにぶっ放した!!! 俺は攻撃を放つ前に避難していた。
「グアァァァァ!!!」
リバイアサンの体はチリの様に消し飛んでいった。
「やったか……!?」
「ハァッハァッ……勝ったのかな!!?」
マインはかなり息が上がっていた。
今俺は彼女の両肩を後ろから支えているが、先ほど寒がっていたとは思えないほど火照っていた。
「マイン!! 大丈夫か!!? 少し休みな!!」
「ううん。もう大丈夫だよ。ありがとう」
マインは呼吸を整えると、いつもの優しい笑顔に戻った。
「しかしすげぇよ!! マインは!! あんなにデカい化け物倒しちまうんだからさ!!」
俺が賛美を送ると、マインは照れながらもこう言った。
「あの時、あなたが助けてくれなかったら、わたしは死んでた。あなたのおかげでとどめを刺せたんだ」
「あなたが、あの時使ったのは、『ブースト・強』だよね? わたしだって、習得するのに三か月はかかったんだよ!! それを、本番の追い込まれた状況で成功させるなんて、本当に凄いよ!! 流石わたし達の息子だね!!」
「母さん……」
マインは俺をべた褒めすると、俺の鼻の上を撫でた。
母さんはいつも優しかったよな。
こうやって、よく褒めてくれたのが、懐かしいぜ。
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