第23話 vsリバイアサン
俺達は神殿を泳いで進むが、不思議な事があった。
「敵モンスターが全然いないな」
当然、ダンジョンは、敵モンスターが出てくるはずだが、入り口と同じく生き物の姿が無かった。
そして、俺達は無傷で神殿の最奥まで辿り着く。
「なんだここは? すげぇ広いけど、なんか不気味な場所だな」
そこは何本もの巨大な柱が、ばらばらに立っている、広い空間だった。
しかし、周りには、無数の動物の物と思われる骨が散らばっていた。
「もしかして、リバイアサンにやられた奴らの残骸なのか?」
「ソノトオリダ!!」
突然、片言で荒々しい男性の声が、後ろから響いて来た。
「誰だ!!!」
後ろを振り返ると、天井から声の主らしき怪物が姿を現した。
「コイツが、リバイアサン!!!」
「デケェ!!! 何十メートルあるんだよ!!!」
そこには、蛇の様な長く太い体に、東洋龍の様な頭のついた、巨大な怪物だった。
俺はビビって引きそうになったが、後の二人は引き下がらない。
流石、グロリア冒険団の四番隊隊長と副隊長だ!
「わたしたちは、グロリア冒険団四番隊!!! 今から、あなたの首を取る!!!」
マインがそう宣言すると、リバイアサンは鋭い眼光で怒りをにじませるように言った。
「ウチノシマニ、ボウケンダンダァ!!? フザケヤガッテ!! ニンゲンゴトキガ!!!」
今、うちの島って言ったよな!? 何でコイツ片言でヤクザ見たいな事言ってんだよ!! ある意味怖ーよ!!
「リバイアサン!! あなたは我が国の沢山の漁師達の命を奪ってきた!! その代償を払ってもらいます!!」
マインは臆することなくリバイアサンにそう言い放つ。
「フン!! ニンゲンフゼイガ!! オレニカテルトオモッテンノカ!!?」
「威勢だけじゃ勝てないぜ、大きな悪ガキくん!!」
あまりにも人間を見下すリバイアサンにカチンときた俺は、リバイアサンを挑発した。
「シネェ!!! ニンゲン!!! クラエ!!! 『鳴門渦』!!!」
すると突然!! リバイアサンは渦の様な水流を俺達に発射してきた!! その威力は絶大で、周囲の巨大な柱を次々と破壊した!!
「危ねぇな!! なんて威力だ!!」
俺達三人は間一髪でかわすと、散り散りになって、体制を立て直す!!
「ツヅケテイクゾ!!! 『渦のムチ』!!!」
今度は、リバイアサンの尻尾が渦に包まれると、それをムチの様に叩きつけてくる!!
「これも凄い威力!! 一撃でも受けたら危ないよ!! 気を付けて!!!」
マインはブーストを使って攻撃をかわすと、上から、銃弾の様な電撃を何発もリバイアサンに浴びせる!! リバイアサンの動きが少し止まった!!
「今度はこっちの番だよ!!!」
すると、マインは電気エネルギーを手に集中させると、そのエネルギーが巨大なハンマーの様な形に変わった。
「『ライジング・ハンマー』!!!」
マインはその巨大電気ハンマーで、リバイアサンの頭をぶっ叩いた‼
「すげぇ一撃だぜ!! これは決まったか!!?」
しかし。リバイアサンは効いてはいたが、まだ余力が残っている感じだった。
「ニンゲンゴトキガ!!! オレサマ二イチゲキヲイレヤガッタ!!!」
リバイアサンは攻撃を受けた影響で荒れ狂っている。
そこへ、マインが、今度はクナイの様に電気エネルギーの形を変化させ、まるで落雷の様な速度で、様々な方向から斬撃を加えていく!!!
「すげぇ!!! マインの奴、水中なのにリバイアサンに全然引けをとってねぇ!!!」
俺が関心していると、ライムが声を掛ける。
「わたし達も行くのです!!! シリウスくん!!! マインさんを援護するのです!!!」
俺とライムは、マインを援護する為に、リバイアサンに突撃する!!!
「ナカナカノジツリョクダ!! ホメテヤロウ!! ダガ、ソレジャアオレニハカテナイゼ!!!」
「『海流暴流』!!!」
リバイアサンは体を回転させ、巨大な渦に包まれると、その渦が一気に膨張する!!
「……! 危ない!!! マインさん!!!」
俺達三人は吹き飛ばされ、それぞれ壁に叩きつけられた!!
「ケホッ!! マイン!!! ライム!!!」
俺は、急いで体を起こすと、周囲を見渡す!
「シリウス……くん……」
これはライムの声だ! しかし、ライムは瓦礫の下敷きになっていた!
「ライム!!! 大変だ!!! すぐに出してやる!!!」
すると、ライムは声を絞り出すように言った。
「わたしは……自分で何とか……します……だから……マインさんを……!」
「わかった!! 死ぬんじゃねぇぞ!!」
俺はライムの心情を察し、彼が指をさした方へ進んだ!
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