第17話 魔法とスキル
冒険者ギルドを後にした俺達は、マインの実家の前に来ていた。
「へぇ~マインちゃん一人暮らし何だな。若いのに感心するぜ」
そこは、西洋の一軒家のような造りで、ドアが内側に開くようになっていた。
「でも。これは入れないな」
玄関の高さは二メートルほどで、四メートル以上の俺の体は入らなかった。
体が大きいのは不便だぜ。
前世までは体が大きい事に憧れていたが、別に強くなってないし、逆に不便なんだよな。
なんかこう、力が伴ってないのに、無駄に的がデカくなった感じで、戦闘でも不利だ。
「あの、狭かった?」
「あ、ああ。ごめん……」
マインちゃんに気を使わせてしまった。
「そんな、謝らなくていいよ。体の大きさなんてそれぞれだし。どのみち実技は外でやるつもりだったから」
「取り敢えず、座学も外でやろうか。今涼しいし、丁度いいよ」
「ああ、わかった。ありがとな」
俺は笑顔で気遣ってくれたマインちゃんに感謝した。
「じゃあ、まずはスキルについて説明するね」
早速、マイン先生は魔法でモニターの様な者を展開すると、指で字を書き始めた。
まるで、講師の様だな。
「スキルは生まれつき、どの生物にも備わっているんだ。人間にも、モンスターにも」
「要するに特性、みたいな物だよ」
「ちなみに、わたしのスキルは『プラズマアップ』、雷属性の魔法を通常より強く放てるスキルだよ」
なるほど、だからマインは雷属性の魔法が得意なのか。
”雷速”の異名はだてでは無かったという訳か。
「そして、この子のスキルは……」
「『マジカルシェア』、自分の魔法を相手と共有できるんです」
マインが言いかけた所で、俺の隣に座っていたライムが答える。
「相手と魔法を共有するってことは、ライムはサポート役と言う事か?」
「よく気づいたね。そう、相手と魔法を共有できるという事は味方とも共有できの」
やっぱり、俺の前世で鍛えた感覚は異世界でも狂って無かったな。
どう見ても、魔法を共有できるなんて、攻撃より見方をサポートすることに特化したスキルだしな。
「そういえば、俺のスキルはなんなんだ、確か『ギャラクシースター』とか言う、スキルだったんだけど、訳したら『銀河の星』だし、何に使うのか想像がつかねぇんだけど?」
俺の質問にマインは首をかしげていた。
「少なくとも、わたしの経験上、あなたと同じ名前のスキルをもった生き物は見たことがないよ。ギルドでは、スキルの名前はわかっても、効果は発動しないと分からないし……」
マジかよ!! 意味が分からないんだったら、使い物にならない可能性もあるじゃん。
どうすんだよ!!
「そこで、スキルを補う為に、魔法が使われるんだ」
「魔法には三種類があって、攻撃魔法、強化魔法、補助魔法の三つがあるの」
「攻撃魔法には属性がついていて、主に火、水、風、雷、土、光、闇の七種類があるの」
「火は風に強くて、風は水に強くて、水は火に強い。雷は水と風に強くて、火と土に弱く、土は雷と火に強く、水と風に弱い。光と闇はお互いの弱点を突き合っている。そんな感じかな」
やはり、これはゲームと同じだ。
属性にもそれぞれ相性があるんだな。
俺はゲームをやりこんできたから、この手の相性はすぐに覚えられた。
「次に強化魔法について、強化魔法は自分の能力を高める効果があるの」
「自分の移動速度を上げる『ブースト』や、攻撃力を上げる『ビルドアップ』なんかがよく使われるかな」
「どれも効果は一時的なものだから、戦闘が終わるとすぐに元に戻るよ」
単独行動が好きな冒険者にはおすすめなのかもな。
俺は弱いから、流石に一人は無理だが。
「最後は補助魔法。見方をサポートする魔法だよ。チーム行動には必須の魔法だよ」
「相手を拘束する『バインド』や、見方を回復する『ヒール』とかが有名だね」
「ライムはこういう魔法が得意だからいつも助かってるんだ。有難いよ」
マインに褒められて、ライムは頬を赤らめてうつ向いていた。
クソッ男の癖に可愛すぎるぜ!! まるで百合だな。
まぁ、ノーマルカップリングだけどな。
「ああ、そうそう、言い忘れてたけど……」
「魔法を使うにも回数に制限があるの」
まぁ、そりゃそうだろ。
俺のやっていたゲームにもMPはあったし。
無限に魔法を打てるほど、そう甘くは無いんだろうな。
「魔法を使うには魔力器官と呼ばれる臓器を使わないといけないんだ」
「でも、魔力器官のサイズは人それぞれで、大きいほど魔法を多く使えるし、強い魔法も打ちやすくなるんだ」
「これは生まれつきに左右されるけど、悲しいよね」
生まれつきか……俺はどうなんだろうな。
ギルドではそれらしい記載は無かったしな。
「もしかして、ステータスの『魔力』って、それの事か?」
「あくまで『魔力』は攻撃魔法を使った時の強さに依存するので、魔力器官とは関係ないです」
俺の質問に、ライムが説明する。
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