第16話 ステータスの確認

 次の日

俺とマインとライムの三人は、冒険者ギルドに着いたところだ。


「ここが、冒険者ギルドか。初めて来たぜ」


 そこは、まさに異世界ファンタジーでありがちな体育館の数倍はあろう広い建物だった。


「ここで、シリウスくんに朗報だよ」


「朗報?」


 朗報ってなんだ? マインは俺に何を伝えるつもりなんだ?


「シリウスくんは、わたしの隊で面倒見ることになったよ!」


「え!? マジか!?」


 俺は驚き過ぎて、目が飛び出そうになった。


「リバイアサンの討伐は、凄く難しい任務なんです。そういう依頼の事を『国務』というです。『国務』は危険な為、一般人は参加できないです。最低でも冒険者登録をする必要があるのです」


 ライムはそう説明する。

一回死んで、モンスターに転生して、そんなこんなで今は名門冒険団の一員か。

そして今は『国務』とか言うデカい仕事をやろうとしている。

人生分からねぇもんだぜ。

そして、冒険者登録の手続きはマインが済ませてくれた。


「すげぇな、マインちゃん。まだ十五歳なのにこんな難しい手続き普通にやってるな」


「マインさんは、凄いしっかりしてるんです。わたしなんて、こういうの苦手なので、わたしの時もマインさんが全部やってくれたんです。有難いです」


 俺も死んだとき十五歳だったけど、何もかも母さんに任せてたな。

懐かしいぜ。

すると、手続きを済ませたマインが戻って来た。


「おまたせ! 冒険者用の腕輪をつけたら、冒険者の仲間入りだよ!」


 しばらくすると、受付の女性が来て、俺は腕輪を受け取り装着した。


「おめでとう! これで、わたし達の仲間入りだね!!」


 そういわれると、少し恥ずかしいな。

でも、これで一歩踏み出せた気がする。


「じゃあ、まずは自分のステータスを見に行こうか」


 俺はマインに連れられると、とあるモニターの近くに立つ。


「ここから出ている光に、手をかざすと……」


 マインが手をかざすと、モニターに何か映し出された。


「レベル五十で、攻撃が百六十、タフネスが九十五、魔力が百四十三、スピードが二百三十だね」


 このモニターは自分のステータスを確認できる奴なんだな。

その他にも、スキルや覚えている魔法なども表示されていた。


「しかし、このステータスは凄いのか?」


「レベルにしてはまずまずだと思う。スピードはかなり高い方だと思うけど、耐久が低いから攻撃をもらうのは危険かな」


 このモニター一つで自分の得意不得意が分かるのはすげぇな。


「じゃあ、シリウスくん。早速やってみて」


 俺は言われたように、光に手をかざす。


「レベルは五。攻撃十五、タフネス二十六、魔力十三、スピード十か……やっぱ低いな」


 やはり、俺のステータスは低かった。


「でも、レベルが低いだけで、もしかしたら大器晩成なのかも……」


 ライムがフォローしてくれる。

確かにレベルもあるが種族値の方が重要だもんな。


「確かにレベルにしてはタフネスの数値だけ異様に高いね」


「さすが、あのブロンズの攻撃を耐えただけあるよね」


 いや、あれは根性みせただけで、普通に痛いからな。


「マインちゃん、レベルを上げるにはどうするんだ?」


「とにかく戦って勝つのが、一番手っ取り早いかな。自己鍛錬だと貰える経験値の量に限界があるし」


 マジかよ!!? 喧嘩で勝たないとダメなのかよ!! 俺の苦手分野じゃん!!


「じゃあ、次は魔法について教えるね」


 マインは笑顔で両手をポンッと叩いて言った。

魔法か、俺にもできるのか? それ?






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