第2話
「あの、俺はどうしたら」
「ふむ、勇者か。実は前にもな、召喚の際に勇者だけでなく、ほかのものも召喚された事例がいくつも王家に伝わっておるのだ。
ほとんどのものは勇者のサポートをしたりしていたのだが、一人だけ勇者より圧倒的に強く、その分勇者が弱かった時があったそうじゃ。その時は、先のロミオ、おっと、お前たちを連れてきた男のように勇者に冷たく当たり、勇者じゃない方をもてはやしていた時があったのじゃ。
その勇者は無一文で王都に放り出されての、1ヶ月とかからずなくなってしまったそうじゃ。
そのあと、そのことがあった次の代の勇者に聖剣を通して伝わったらしいのじゃ。
それからいろいろあってな、召喚されたものに対しては、いくら弱かろうが、最低限のサポートをすることが王家の勤めとなったのじゃ。
じゃがの、レベル、ステータスの高いものが魔物討伐をしてギルドでランクが上がっているのも事実なのじゃ、じゃから自然とステータスが低いものを下に見ることが多いのじゃが、ステータスが低くても有用なスキル持ちも多いのじゃ。
勇者の場合、スキルの数もステータスも最低水準だったのでなロミオも失望してしまったのじゃろう。もちろん勇者が悪いわけではないのじゃがな。
ともかく我々王家は勇者のサポートをする準備はあるので心配せんで良い。」
「お、お、俺も何かサポートをもらえるってことか。」
(でもステータスもスキルも最低水準なら稼ぐことも大変なんじゃないか?元の世界になんか別に戻りたくないけど、この世界で生きるよりはいいよな。元の世界に帰れるのか一応聞いてみるか。)
「えっと、俺は元の世界には戻れるのか?」
「うむ、過去には元の世界に戻った勇者もおった。しかしの聖樹様の結界が元に戻るまでは、帰還の陣が正常に作動せんからできないがの。
結界が弱まるのがセプティリオン級、伝説級の魔物が聖樹様に攻撃を仕掛けようとして聖樹様がそれを退けるために弱まっているのが理由とされておる。さっきも話たが大陸の外から魔物が集まってくるのも、これが原因とされておる。
田中殿たちには魔物を討伐してもらう予定じゃが、いつまで続くかはわからないのじゃ。わずか1年で終わった時もあれば数十年続いた時もあったの。
じゃから元の世界に早く戻るには、魔物1匹でも多く討伐することじゃな。」
「わ、わかった。でもステータス、スキルが最低水準だしいくら王家がサポートするからって魔物を倒せるとは思えないし。」
「勇者よ、そなたのもつスキルの数は、少ない上に国民なら誰でも使える自己鑑定の他に、聖剣召喚だけじゃ。
じゃが聖剣召喚は歴代勇者しか使えない固有スキルじゃ。聖剣にはさまざまな効果があるとされておるから、ステータスが最低水準でも聖剣を使いこなせれば、魔物を倒せるくらい強くなれるはずじゃ。
(まあ、歴代勇者は、いつも聖剣に吸わせるためにMPがかつかつじゃと聞いておるがの。(小声))」
「そっ、そうか俺にはまだ聖剣があるんだ。魔物を倒してレベルが上がれば強くなって俺つえーできるかもしれないし。わかった。王様俺は魔物を倒して強くなってみせる。」
「そっそうか。じゃあ勇者には、ギルドに入ってもらって、ランクアップを目指してもらったほうがいいかの。」
「おっギルドがあるのか。よっしゃギルドで成り上がってやるぜー」
「うむ、では勇者にはギルドに入ってもらう。じゃが、最低ランクのGランクからやってもらう。
ギルドランクは、GからAランクとあって次がSランク最高がSSSランクじゃな。ギルドに入るには、ある程度ステータスがないと試験すら受けれずに入団できないが、今回は王家からの推薦にして試験もなしで入団できるようにしておこう。
それから資金もそうじゃな500万円ほど渡そう。」
「えっ、金貨じゃないの?ってか円?」
「おっそうか、この大陸では初代勇者によって通貨の数え方が円に変わったらしいのじゃ。とは言っても1万円を呼ぶ時に銀貨10枚とは呼ばないだけと言ったらわかりやすいかの。金貨も銀貨も集まればまとめて表現できるしのう。」
「そっそうなのか。わかった取り敢えず500万も、もらえるのか。」
「うむ、これだけ有れば、しばらくは大丈夫じゃろう、ギルドには団員用の寮もあるみたいじゃしな。
ギルドには兵士に案内させよう。
では勇者よギルドにて魔物討伐を励んで参れ。」
そう言われて俺は、兵士と共にギルドへと出発した。
俺は兵士と共に城の門まできた。
「よしこれから俺の成り上がりが始まるんだ。行くぞ!」
俺は一歩踏み出し門をくぐり、辺りを見回した。
(ってすげー、異世界といったら文明レベルが中世くらいだと思ってたけど中世ってレベルじゃねえぞこの光景。
城の感じから薄々気付いていたけど。
このビル群に緑の融合した神秘てきでいてその周辺にはほうきや絨毯、いかつい車が空を飛んでるし。現代どころか近未来レベルだろ。
ってそうか前にも勇者が来てるっていってたからそれで進んでんのか。
明らかに絨毯と車の差が激しいし、って)
「えーっなんだあれは」
なんかどでけえロボットが後ろから飛んでったぞ。
「あっはい、勇者様、あれはキャロライン様の愛機です。すごいですよねあれを自分のMPで強化して戦うそうですよ。」
兵士が答えてくれた。
「そっそうなのか」
(まじかテラ級のステータスが有ればあれで戦えるようになるのか。)
「さっ勇者様行きますよ。」
「あっ絨毯なんすね」
俺は用意された絨毯に乗ってギルドへ向かった。
「では私はここまでです。先程渡した書状を受け付けの人に渡せばあとはやってもらえるようになってます。あとは、先程渡した袋の中に資金が入ってますので。」
「あっはい。いろいろありがとうございました。それでは。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます