第12話 エリザベス脱落

エリザベスには、魔物を食べた事で魔物化が進んだ事を打ち明ける。

この先、各地をまわり困った人々を助けていく、そんな旅をしたいと告げる。


「あら 今更じゃありません? もともとあんなに凄い魔法を使える時点で既に魔物ではございませんか? 少しぐらい魔物化が進もうとも問題ございません」


エリザベス様、男前なご意見ありがとうございます。


「世直し旅ですね おとぎ話の様で憧れます ですがおそらく魔物化していない私ではクリストフ様についていく事は出来ないと思います 長くても2ヶ月に一回はメタにいる私の元に帰ってくる事 出来ますね?」

「無理かと思います メタなら半年に一回にしていただかないと 無理ならついてこられるのが一番かと」

「は~ん 私にそんな過酷な旅をしろとおっしゃる? そこにそこに愛はあるんですか?」


エリザベスさんや、あんたはどっかの劇団のオバハンか?そんなテレビCMみたいなこと言って、さては笑わそうとしているな?


スージーとアンはあっち向いて、間違いなく笑ってる、肩がプルプルしているよ。

辺境伯様は、また悲しい目をしていらっしゃる。


「それでは 旅が終わるごとにメタに帰りましょう お土産を買ってきますよ 待っていてください」

「それならいいわ 楽しみに待ってます」


これでエリザベスとは、会うこともないかもしれないと思いながら、辺境伯様に目配せをしておいた。


「エリザベス それではフォーゲル子爵にあいさつに行こうか」



「クリス様 面白い女の子でしたね 愛はあるんですか?ってありませんよね」

「吟遊詩人になればいいのに 個性的だし人気になるかも」


二人にいじられて、かわいそうなお嬢様だ。


大人たちに確認しておかなければいけないことが有る。魔物化が進むとどうなるか?という問題だ。まだ今はいい具合に止まってるが、どれぐらいで次の段階に行くのか?最終形態はどんな形か?そのあたりが問題だ。

どっかの使徒みたいにA〇フィールドとか展開できるようになるのか? ん?今でもできるか。


バルスの治安維持のために、野良犬に場外の盗賊狩り(食用)をやらせる。アンズの命令でなんでもする奴らは、使い勝手の良い捨て駒だ。とにかくアンズの命令でよく動く、一般市民は襲わなくなったので、駆除対象にならなかった。しかし人間を食ってるので脂の匂いやらでとにかく臭い。盗賊はだいたい城外に居るので野良犬も城外にいるので住民も痛し痒しなところだ。しかしながら確実に街道沿いの治安はよくなってきた。


旅の為に牛を買う。馬でも良かったが、牛の方がスージーの命令をよく聞く。しかもゆっくりなので、サスペンションのない台車では、お尻への優しさが優先される、優雅な旅になりそうだ。


コーチとして羊人?(おそらく角が一本しかないが 巻いてるので多分羊だ)の奴隷を買う、けっこう羊寄りの羊人でもちろん服はスカートだけだ。ちなみにスージーとアンはかなり人よりで服を上から下まで着ている。メリーは、ウール100%のモコモコで可愛い女の子である。もちろん名前はメリーに決まっている。

♪メリーさんは羊 羊 羊 メリーさんは羊かわいいな♪

ちょっと違うかも?


それでは出発の準備をしましょう。

スージーとアンとアンズで買い出しに行きましょう!

いつも一緒にいるのに、初めてのデートみたいでワクワクします。


「なに買う? メリーの分でリンスシャンプーいっぱい買っておかないとダメだね トランプ オセロ は用意したっけ? でリンスシャンプーっていつからあるの?」

「もう牛車に積んでありますよ シャンプーいつからでしょう? 何百年か昔に隣の大陸で大賢者様が作ったそうですけど」


ちなみに、シャンプー・マヨネーズ・オセロ・けん玉は普通にある。テンプレが有るって事は確実に先輩日本人がいた証拠だろう。おそらくその国では失われた日本文化が有るかもしれない。旅の目的に、日本文化(元の世界)の痕跡をたどるのもいいかもしれない。五重の塔ぐらいはありそうだし。



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