第10話 キレテナイ
転生のことは3人の秘密、公式発表は魔物を食べて魔物化した事にしておく。
皇帝との謁見に望む。もちろんスージー、アン、アンズも一緒だ。
「クリストフよ 本音の会話がしたいぞ」
「ではご無礼して 遠慮なくそうさせていただきます」
「まずは 良く戻って来てくれた 礼を言うぞ」
「東大門の修復がまだでしたので」
「屋敷を構えんといかんな 何処にするかな」
「帝都に留まるつもりはございません 宰相みたいな輩がゴロゴロ居そうですから」
「この地の民も クリストフを慕ってくれているでは無いか なに不自由なく暮らせると思うが」
「世界を旅して 気に入った土地に住む またふらっと旅に出る 気ままな三人と一匹ですよ それにボク達は魔物ですよ 結局のところ受け入れられませんよ」
「クリストフ君どうだろうか うちのエリザベスを今帝都によんでに呼んでいる最中なんだよ そう急ぐこともあるまい 会ってやってくれんか?」
「それではお言葉に甘えて しばらく帝都にて過ごさせて頂きます」
「ゆっくりしていくが良い 東丘館を使え」
「どうしたものか 辺境伯はどう感じた」
「子供がグズってる感じかと フォーゲル子爵を呼び ゆっくりと時間を掛けるのが得策かと 落ち着いたら 帝国内を旅させるのはどうでしょうか?」
「エリザベスとはどんな娘だ?」
「素直でわがままで鈍感な娘でございます」
「クリストフに気に入ってもらえそうか?」
「間違いなく」
「メイド二人は引き剥がすか?」
「それは最悪かと 牛人は母親がわり 犬人は最強の護衛です」
「近衛騎士より強いのか?」
「もちろん最強はダントツでクリストフですが 次が犬人 次が大きい犬 だいぶ離れて牛人 それから近衛騎士でしょう」
「牛人より弱いか」
「確実に 魔物ですから 牛人と犬人と大きい犬を傷つけるとクリストフの報復で国が滅ぶと思います 傷を付けられる者などおりませんが」
「それ程か?」
「あの東大通りと東大門 一瞬で直しています 作ったのも一瞬でしたが」
「そうであった」
近衛騎士達に東丘館へと案内された御一行。
「こちらがメイド長だ 何か用があれば言いつけるといいぞ」
「メイド長のミラでございます」
「ミラ この部屋は臭いぞ 魔物の匂いがプンプンしておる 換気した方がいいぞ 陛下の大事な東丘館が台無しだ」
「騎士様なにをおっしゃいます 落ち度はございません」
「牛の魔物と犬の魔物が二匹 クサイクサイ」
アンズに野良犬を集めさせる
「騎士のみなさんとメイドの皆さん お近づきにすごいものをお見せしましょう 庭に出てください」
野良犬に近衛騎士とメイドを安全な所に囲ませる。
ここは一つ、プチメテオで派手にやっちゃおう。拳大500個ぐらい降らす、ボコボコになったところを、綺麗に整地して完了。
「これで匂いが消えたよ 臭くてごめんね」
“たつ鳥後を濁さず”
「スージー アン アンズ行こうか ゆっくり出来なかったけど」
その頃、宮殿にも大爆音が響いて来た。空からすごい数の石が飛んで来て、東丘館のあたり一面を破壊している。土煙で東の方が靄っている。
「なんだあれは!」
「東丘館の方ですね 近衛騎士がやらかしたかもしれません 間違いなくクリストフの魔法です」
騎士団に入って初めての恐怖だった。
この世の終わりの様な風景、空から石が降って来て東丘館を跡形も無く破壊した。
土煙が収まるとそこは綺麗に整地され、打ち水までされていた。
これが臭いと言った自分の責任で起こったことだった。
クリストフ達もいなかった。
今度は何処にいるかはすぐにわかった。大勢の野良犬達に囲まれて東の街道をゆっくり進んでいく。一般の往来の邪魔になる事はなかったが、騎士団が近づこうとすると、野良犬に取り囲まれ近づけなかった。
さっきの近衛騎士が血相を変えて土下座している。
「先ほどは大変失礼・・・・」
「ホント失礼だよ」
次の瞬間、首が落ちていた。すれ違う時に手脚もバラバラにしてやった。
アンズに野良犬に食べる様に指示を出しておいた。野良犬は解散させる。
辺境伯が、ことの仔細をメイドから報告を受け、その近衛騎士を連れて来させると、血だらけの鎧兜が届くられ、首を落とされ、手脚を切られ、野良犬に食われたことが報告された。
「最悪だな」
「まことに遺憾ながら とにかくクリストフを追います」
「そうしてくれ あの石が降っていたのは魔法か?」
「プチメテオというらしいです メテオが石が降る魔法で プチが小さいという意味らしいです あれで小さいらしいです」
「プチか?」
「プチです」
「最悪だな」
皇帝の毛穴が死んだ 死して屍拾う者なし
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