第6話 顔見せ行脚

まるで黄門様御一行ですね。行く先々で山賊をやっつけ、インフラを整備して、皆んなに顔繋ぎする。


フォーゲル家の嫡男なんですけど、まるでドズル家の婿さん扱いです。

極め付けは、バルスに立ち寄った時、そうです「帰った」じゃなくて「立ち寄った」でしたね、母親の妊娠を見て


「きっと男の子ですよ 跡取りができて良かった」


お〜い、じいさんや嫡男がここに居るんですけど?ってあなた達レス夫婦じゃ無かったの?



今回の旅のお礼に、少しだけとっておきお見せましょう!


爆裂魔法!仕組みは簡単、石を仕込んだサッカーボール大のカプセルを水で満たして地中に埋める様に魔法でイメージする。中の石を瞬間的に加熱し、水を水蒸気にする。爆風を出したい方向にボールに穴を開けると完全なる水蒸気爆発の出来上がり!


実際ほんの一瞬の出来事なので、これを10回ほどやると辺り一面地獄絵図になります。こちらの世界では、この仕組みが分からないようでおそらく伝わらないかもしれません。


山賊のアジトの洞窟を、爆裂魔法で吹っ飛ばした時は、全員真っ青な顔をしていましたね。


ぼくちゃん4歳なんで加減が分からないよ、てへっ。


帝都に着く頃には、辺境伯様は考え込む時間が多くなりました。

「毒食わば皿まで」

せっかくの悪者顔が台無しですね、エリザベスちゃんを差し出せば安泰ですから。


「へんきょうはくさま どこかいたいの?」

「余りにも凄いんでな びっくりしたんだよ」

「えへ~ がんばったんでねむいよ」


ニセ弱点を見せておいて、アンに抱かれてお昼寝します。堤防を作った時は緊急性が高かったので魔力の効率は考えませんでしたが、効率重視なら200キロぐらいできそうですね。


帝都についてから早くも1週間がたちました。これからの扱いと危険性について会議を重ねているみたいです。皇帝陛下との謁見もかなっていません。


大問題が発生しました。辺境伯様の屋敷で、なんとむさくるしいオッサン騎士に囲まれています。


「へんきょうはくさま もうかえります こんなおじさん いやです」

スージーとアンに抱き着き大泣きしてやりました。ここはひとつ実力行使します。


「スージー アン かえろう」

死なない程度にブッ飛ばし鎧をベコベコにしてやりました。


馬のついてない馬車に乗り込み、風で後ろから押して進みました。スピードが出てないのでアンでも舵の操作ができます。

幽霊馬車の出現に、帝都は大騒ぎになりました。


「スージー たのしいね」

「クリス様 私は怖いです どうなるんですか?」

「わかんない アン まちからでよう」

「アンに お任せください」


大通りで騎士団にとりかこまれた。


「ム~ おこったぞ」

馬車の下3メートル四方を3メーターほど持ち上げる。

プチメテオでも食らわせてやる。


いきなり地面がせりあがり騎士団はパニックに陥っている。

今回は殺したらまずそうなので、大洪水にしておこう。


で、水いけ! 

自分を中心にうず潮を発生させてみました。

あ~ぁ 周りの家もぐちゃぐちゃになりましたが、これはご愛敬です。


大門まで1キロ真っすぐに、高さ3メートルの道を付けて、帝都から出ましょう!


「ばいばいきん」

「クリス様 ばいばいきんって何ですか?」

「う~ん さよなら?」


この騒動で大門は閉じられていましたが、お構いなしに100メートルほどスロープを設営して、大門を破壊しちゃいました。

記念に高架道路と、スロープはそのままにしておきましょう。


大急ぎで屋敷に帰った辺境伯は、宰相の勝手な指示で騎士団が屋敷に乗り込み、拉致未遂を起こしブッ飛ばされ、クリストフたちが大通りと大門を盛大に破壊して、帝都を去ったことを知った。


「スージー アン どうしようか?」

「「もちろん一緒ですよ」」

「かえらないよ」

「死ぬまで一緒です」

「もちろんお供します」

「二人とも大好き」


犯罪者になってしまいました。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る