第5話 東部辺境伯様

目が覚めると見覚えのない天井が見えた。


3回目の転生ですか・・・


今度はどんな世界だろう・・・


「ビェ~~クリス様~~目が覚めました~~よかったです」


「スージー オッパイ」


童心に帰って、無心でスージーのオッパイに食らいつく、この道中で4歳になりました。


「お~~!クリストフ君・・・かれこれ10分(子供に向かてそんなに感謝しなくても)・・・」


もしかしておっちゃんがドズル様? まんまザビ家の三男さんですね、期待どうりの迫力です。


「ところで オッパイは好きかね?」


辺境伯様、子供にはもっと健全な笑顔を向けてください。エロおやじですよ。


「うん」

「そうかそうか わしも大好きじゃ 同志よ どの娘でも持って帰っていいぞ」


色めき立ったメイドさんたちが、オレの前に整列しています。

スージーとアンが、オレの後ろで胸を張って対抗しています。

そんな中、真ん中にオレより少し大きい御令嬢が、ペッタンを張り出し

「私を選びなさいオーラ」を出している


「エリザベス お前まで並ばなくていいんだよ」

「いいえ おじい様 勝負事は公平に行わなければいけませんわ」


「さあ クリストフ様 誰をお選びになりますか?」


お嬢様、これは公平な勝負ではありません。可愛いメイドさんを選ぶ勇気はございません。猫人のおねーさんには未練しかございません。


「おねーちゃん」


とりあえず御令嬢に抱き着いておきます。

辺境伯様、そんな目で見ないでください。


どたばた新喜劇はここまで、大人たちに交じって辺境伯様と面談です。


「ほんとに今回の活躍には助けられた 収穫前の穀倉地帯が洪水にやられていたらと思うとぞっとする しかし凄い魔法であったな 思い出しても鳥肌が立つぞ」


「我が息子ながら驚くばかりでございます あれだけの短い時間であの規模の堤防を築くとは われらの土木事業は一体何だったのでしょう?」


「いつもクリストフ君がいるとは限らんよ 常に備えねばなるまい」


「でだ 皇帝陛下に今回のこと具申しようと思う 4歳にして表舞台に立つことになると思うが 秘するは国の損失につながると思う 何とか理解してくれんだろうか?」


「何分幼いもので なにかと心配ですが」


「そうでもないぞ 先ほどエリザベスに抱き着いたところなど なかなか分かっているではないか」


「そんなものでございますか?」


「そんなもんだぞ」


そんなこんなで、辺境伯様の覚えめでたく、皇帝陛下に謁見に準備が始まった。




エリザベスside


「クリストフ君 私は エリザベス・ドズル よろしくね」

とにかくこの子は可愛い、そして凄い魔法使いだ。


「捕まえろ 放しちゃダメ」

おなかの奥でなにかが叫んでる。


私より2歳年下で弟と同い年。しばらくここで帝都に上がる準備を進めるらしい。私も帝都に行った事がないので是非ついて行こう。

フォーゲル子爵様もイケメンなんです、クリストフ君も将来イケメン間違い無しです。変な笑いが溢れて来ます。グフフ・・・

でもね帝都には御伽噺に出てくる悪いオンナがいるそうですよ。悪い蟲が付かないようにこのエリザベスが守ってあげますわ。





今日は帝都に出発する日です。

お留守番を命じられたエリザベスがこの世の終わりみたいに泣いています。辺境伯様からの目配せで、クリス出動です。


「すぐに帰ってくるから泣かないで待っててね」


「ここで待ってる」


お嬢さん、今、ニッと笑いましたね。

おじいさんあなたも、ニッと笑いましたね。

二人ともワルイ笑顔でしたよ。

出発しましょうか。





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