第3話 部長がチョロいのにチョロくないです

「それでこの太田って人のどこが好きなんです?」


 QEDラブレターを読んでも肝心の部分が不明なので質問すると、部長がモジモジし始めた。


「シャーペンをくれた……」

「え?」

「授業中壊れて困ってるのを見て、隣の席から渡してきたんだ」


 乙女顔の部長に感想を告げる。


「チョロい」

「クラスに友達のいない私に躊躇なくだぞ!?」


 僕はシャーペンを部長に差し出す。


「これで好きになります?」

「なる訳ないだろ」


 畜生! でも好きだ!

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