コトダマツムギ

霜月透乃

1 なでてくれる手

 よく夢を見る。


 それは決まって、誰かに頭をなでられる夢。


 ひざまくらに寝転がって、その子が頭をなでてくれる。とても心地いい。


 なでてくれる手は、ちっちゃくて、細くて、かわいい。


 その子は、普通の人とどこか違うところがあるはずなんだけど、それが何だったかいつも起きたら忘れちゃう。


 その子は、いつも私の頭をなでながら言ってくれる。


「――は、大切な――」

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