2022年10月
二十四頁目
どこをどれくらい
一緒にあるいたかな
かびたようにくすんだ色
やっと扉を開けて
捨てたの
お気に入りの色
お気に入りの靴
ほんとうはなんでもない
ただの靴だった
⌘
夢のなかで
取られまいと抱えていたものが
ただのけしごむだったなんて
笑っちゃう
さっさと使えば良かったのに
⌘
消して
失くして
なにもかも
⌘
恐ろしい電話のあとで
開き直ってわらってみたら
なんてことない
過去はもう過去だから
どうしようもないから
なんてことない
⌘
写真のなかのあなたは
ふわり笑っていた
ねえ
それは誰が
撮ってくれたの
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