二十頁目
滅多に見つからないものならば
荒れた岩の裂け目にでも手を伸ばすけど
握った拳が裂け目にぶつかり血が出て初めて
ああこれじゃなかったんだと気づくんだよ
捨てるしかなかったそのなにかは
目にすることもなくまた落ちてゆくんだ
その手には傷しか残っていなくて
だけどそのひどい痛みに安心もするんだよ
⌘
とある花
地面を這って咲く
それは美しい
わたしは
這うことすら
できないのだから
⌘
ひねり搾り
かさね揺られ
重なってゆくものは
ほんものなのかしら
ねえそこの貴方には
どう映っているの
つるり硝子のむこう
人差し指でつつく
⌘
ことばなんていらないの
わかっているけれど
これしかよういできないのよ
いまのわたしには
⌘
ふかふかして にこにこして
あったかいね あったかいね
ゆめのなかでも あえますように
ひっそりねがって おやすみなさい
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます