十九頁目

集めることができたと思えば

すくったそばからこぼれ落ち

胸にいくら抱こうとしたって

欠片にもならずに消えてゆく



 ⌘



さあ はじめましょう

すてきな フィナーレ


さあ さあ みてらっしゃい

だれもが おどろきますよ


ああ そこのごふじん

どうか おあしもとには きをつけて


ああ おそかった

もう みえなくなりました


すてきな フィナーレ

さいえんは またすぐに


さあ やってきました

すてきな フィナーレ


さあ さあ みてらっしゃい

だれもが もくげきしゃ


ああ そこのしんしよ

どうか おせなかには きをつけて


ああ おそかった

もう あえなくなりました


すてきな フィナーレ

さいえんは みていです



 ⌘



かさねた くちびる


落っこちる


落っこちる



 ⌘



じゃぶじゃぶして

ぎゅうとして

ぱんぱんして

太陽に照らせば

真っ白になったら良いのに

わたしのなかの

このみにくい色も



 ⌘



靴とか

部屋とか

まあるい鏡とか

忘れないそういうもの

その鍵を

そのちいさな鍵を

ぎゅっと握りしめたまま

すたすた歩くふりをするの

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