01

 海岸に停めていた水上バイクのライトが緑色に光っている。本部からメッセージが来た証拠だった。


 セコンドはバイクにまたがり、ハンドルの間に取り付けられた小型のモニターを見る。


 そこには、見知らぬアプリケーションが1つと、メールが1件入っていた。彼がメールの通知を開くと、どうやら本部からのものらしく、


”装置の動力源は01と呼ばれる鉱石である。01は特殊な電力を発する。それを追うレーダーアプリをそちらに転送した。そのアプリを使用して、01の確保に努めよ。以上”


 という、機械的な文章が並べられていた。


 セコンドはメールの指示通りアプリを開く。


 そのアプリが起動すると、セコンドのバイク周辺の地図が画像に浮かび上がり、センサーのような赤色の線が、画面上でクルクルと回った。このセンサーが01の電力を探査しているのだろう。


 数秒ほどして、赤色の線が静止した。


 方角は北西。現在地から少し離れた場所に、01の強い反応を検知したようである。


 しかし、その地図が示す場所は海上であった。しかも赤い線が、微妙ながらも動いているようである。


「海上、もしくは深海か」


 地図上で検索をかけようとするも、場所が離れすぎていて探査しきれない。エラーの文字を削除し、画面の位置を整える。


 セコンドは水上バイクを起動して、支配の島の砂を蹴った。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る