第002話 機核療法士《レイバー》
【
それは【
近年世界中に浸透し、日夜様々な活躍を見せている【
その彼らに搭載される主要な機関は、ある特殊な菌から精製されている。
故に【
これを【
◇◇◇
「――すなわち、この【
教壇の上に立つ白衣姿の若い女性教諭が、教科書も持たず生徒らに講義をする。
独特な白い制服に身を包む少年少女らは、静かに彼女の話へ耳を傾けていた。
「たとえば私達のお腹に居る善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れたら下痢や便秘になっちゃう。血管内に悪い菌が沢山入ったら風邪をひくこともあるね。
私たちが普段元気に過ごせているのは、私たちの体がバランスをとってくれているからなんだ。これを
栗色の長い髪を
「だけど、それは【
人間が高熱を出したり、動けないくらいしんどくなるのと同じだね。
例えば、えーっと……
人好きのする笑顔で女性教諭が名を指せば、
「病院に連れて行くなどして、治療や投薬など適切な処置を施してもらいます」
透き通るような声で男子生徒が答えれば、女性教諭は「その通り」と満足気に頷いた。
「人間の治療と同じように、【
でも君たちくらい若くて元気なら、ちょっとした風邪くらい勝手に治っちゃうよね。同じように若い【
だけど体調がとても悪い日に大事なテストがあったとして、
「……えっ!? ボクですか!?」
関西弁の男子生徒が自分の顔を指さすと、女性教諭はやはり笑顔で頷いて応える。
「いや、ボクがそないなことなったら緊張とプレッシャーで胃に穴空きますわ。そうなったら先生に一晩中添い寝してもらわんと」
「はーい、そんなセクハラ解答は求めてませーん」
ユーモラスな教師の返答に生徒が「アイタタタ~」と
「私なら、少々体調が悪い程度なら市販薬で症状を抑えるね。そうしないと君たちの授業も滞っちゃうから。
同じように企業や現場の【
笑顔の女教師に反し、
「……【
「正解!」
女教師は右手の親指を立てた。サムズアップサインだ。
「私が子供の頃は
同じように
茶目っ気混じりに「テヘ」と小さく舌を出せば、女性教諭は腕の時計を一瞥した。
「あー、また脱線しちゃった。授業に戻ろうか。そもそも人間の体内には細菌や真菌など無数の菌が存在しているんだ。それが――」
そうして女教師は生物学の講義を再開した。
生徒数より座席数の多い教室で、白衣のような学制服を着る生徒らはまた静かに授業へ臨む。
そんな中で
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