ロボットの人権ってなんだ?
大秋
ロボットの人権ってなんだ?
ロボットに人権は存在するのか。一昔前に出回っていた犬型や、短期的な行動をプログラミングして動かすようなタイプの機械であれば、愛着がわくことはあろうが、権利や主張といった所まで思考が飛躍することもあまりないと思う。ぬいぐるみや人形もそれに類するかもしれない。
しかし、時代が変化していき、大きなうねりの中にある現在を精確に捉え思考を巡らせれば、ロボットが有する権利を考えるというのも、あながち遠い未来のものではないように思える。
身近なところで考えれば、私達が常日頃、家族や親友とする位置に置きがちな存在に、ペットというものがある。動物を自らの庇護下に置いて愛玩する。その行為自体に是非を問うつもりはない。猫は可愛いし、犬はじゃれているだけで癒やされる。だからこそ一度は考えたことがあると思う。飼っているペットが、人が感じるものと同じように、幸せや幸福というものを感じているのかどうか、と。
安全な寝床と食料を用意している。良い事をしている、間違ってないんだ。そういう考え方の人も確かにいる。だけれど、そんなものは結局は耳障りのいいまやかしでしかない。彼らがそれを求めているかどうかというのは、どこまで行っても誰かの価値観から生まれた想像にすぎないのだから。
科学者は言う。脳波の検査をしてリラックスしていると。だが、それらは自然の中にある動物達がリラックス出来ていないという前提を置かなければ破綻する。
突き詰めてしまえば何もかもが遅かれ早かれ人のエゴという所に帰着してしまう。やりたいのならば、全てを理解した上で、エゴを押し通せばいいとも思う。人の思いに可否もなし。
とあるところでクジラの生存権を謳う人がいる。アフリカで長く生きられない命を憂う人たちがいる。医療を、水を、食料を。適応出来なかったものが滅びてきた自然界に、人が介在する事で停滞が生まれた。
明らかに自然とは違う流れ。人間が持ちうる傲慢さでもあるそれは、歪みとなってさらなる歪みを生む。
今あるあらゆる権利とは、人が与えうるものである。そう考えれば、もしロボットに人権が与えられたとしても、人間が人間によって与えられたモノとそれほど差異はないのだろう。
だが、このいびつさは何だ。
誰が歪めた。
誰かに与えられた権利ってなんだ?
なんてことを考えちゃうのは、きっと夏が暑いせいだろう。良いか悪いかはもちろんのこと、答えなんてものも求めちゃいないし、意味もない。ただ浮かんできたから吐き出しただけの、空気と変わらぬ戯言だ。
ロボットの人権ってなんだ? 大秋 @hatiko-817
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