エブリディ・ライク・ア・サンデー(その3)
「待て、今のクレアでは、あなたには絶対に勝てぬ。
この剣を彼女に“返す”わけにはいかない」
スクルドは、ブラッド・パールを杖代わりによろよろと立ち上がると、エミリアに向かって言い放った。
「私が相手になろう。
ここでは、彼女を守るのが私の役目だ。
彼女が元の世界に戻りたいというのであれば、無事に送り届ける義務がある」
エミリアは、小馬鹿にしたような表情でスクルドを見返した。
「笑止!
半神族のきさまに、“神族”であるこの私が倒せると思っているのか」
クレアを始め、他のワルキューレや、これまで“姉”と思っていたマチルダも二人の成り行きを見守るほかない。
誰もが下手に動くことができない、まるで猛毒の霧が立ち込めたような危険な雰囲気に包まれていた。
剣を斜(はす)に構え、棒立ちに近い状態であるにも関わらず、エミリアからは、これまで見たこともないほどの凄まじい“闘気”が放たれ始めたのをクレアは感じた。
「何、これ?」
思わず両手で耳を塞いだが、防ぎきれるものではない。
エミリアは、剣を握る右手の拳にほんの少しだけ力を込めたかと思ったが、さらにそのエネルギーが増え始めた。
それは、そこに居合わせただけで、体の奥に響いてくる、ライブ会場で巨大スピーカーから打ち出されるダンスミュージックの低周波のような“闘気”だった。
音だけでなく、エミリアを中心とした周りの空気が細かく震えて、光がハレーションを起こし始めていた。
「む! これが“神族”の本気か」
T国軍の兵士に対しては、数百人相手にしても平然と構えていたスクルドが臆していた。
「だが、私とて戦闘民族の“長”としての誇りがある。
むざむざと負けるわけにはいかん」
スクルドは、ブラッド・パールの鞘を抜き取ると、エミリアと同様に“闘気”を放ち始めた。
「クレア、少し離れていろ。
私たちの近くにいると、吹き飛ばされるぞ」
スクルドから言われて、クレアは後ろ足に遠ざかった。
エミリアは、攻撃のためなのか、守備のためなのか、あるいはその両方の目的のためか、自らが放ったドーム状の青白い光で全身を包み込んでいた。
一方、ブラッド・パールを両手で下段に構えたスクルドも、エミリアに負けじと、赤色の光に身を包み始めた。
(こんな“人たち”と闘うなんて、絶対無理だわ)
確かに、これは“人”ではない。化け物だ。
スクルドは、自分の“半神族”に対して、エミリアのことを“神族”と呼んだ。
彼女は、T国人でもY国人でもなく、そもそも“人間”ではなかったのだ。
クレアは、この世界に来て、最初にT国軍のカラス軍団の大群に襲われた以上の恐怖を感じ始めていた。
せっかくこの一週間を何とか無事に“生き抜く”ことができて、やっと元の世界に帰れると思っていたのに、こともあろうに、恩人と思っていたエミリアに、最後で行く手を阻まれることになるなんて。
ここでスクルドが負けることになれば、ほかのワルキューレではまったく歯が立たないのは目に見えている。
自分も一瞬で殺されるに違いない。
「スクルド、頑張って!」
自分でもムシが良いとは思うが、ここは彼女にすべてを託すしかない。
この戦いでスクルドが少しでも時間を稼いでくれれば、もうすぐこの世界と元の世界を繋ぐ“ゲートが”開くはずだ。
「どうした。来ないのか。
では、こちらから行くぞ」
剣を構えたままでなかなか動こうとしないスクルドを見て、エミリアの方が動き出した。
それまで棒立ちだった彼女が、まるで別の生き物に変わったかような動きだった。
全身に光を帯びたまま、スクルドに突進していた。
スクルドもそれを見て、同じように突進したが、わずかにエミリアの動きの方が速かった。
エミリアの剣がスクルドの頭上に振り下ろされた。
スクルドはその剣を、ブラッド・パールの刀身で受け止めるだけで精一杯だった。
「あ!」
クレアはそれを見て短い悲鳴をあげた。
スクルドはエミリアの一撃で、剣ごと頭から全身を叩き切られたように見えたが、ブラッド・パールの刀身は思ったよりも頑丈だったようだ。
だが、その一撃は凄まじく、スクルドの体は、まるでロケットランチャーの爆撃にあったかのように後ろに吹き飛ばされていた。
「スクルド!」
クレアと近くで見守っていたワルキューレたちが口々に叫んだ。
通常の人間であれば、この一撃で気を失ってしまうところだろうが、スクルドもやはり”常人”ではない。
地面に転がっていたのは一瞬で、ブラッド・パールを地面に突き刺して立ち上がると、剣を構え直した。が、その顔は苦痛に歪んでいた。
「そうこなくっちゃな。この程度終わってはつまらん。
実のところ、お前たちワルキューレがどれほどのものか、実際に戦ってみたいと思っていたのだ。
こうした機会でもない限り、なかなか手合わせできないからな」
100メートルを全力で駆け抜けた後だというのに、呼吸一つ乱れないオートマトンのように、外見は人間と同じだが、身体構造がまったく異なる生き物なのか。
“神族”の中で、エミリアがどれぐらいの“力”の持ち主なのか、クレアには想像もつかなかった。
だが、ワルキューレの長たるスクルドを圧倒するこの力は、きっと神族の中でもトップクラスに違いない。
「ほれ、ほれ、どうした。もう終わりか。
この間の狩りで仕留めた小型のドラゴンほどにも手応えがないぞ」
エミリアは、大人が小さな子供相手に剣術の稽古でもつけるように、左右から剣を繰り出していた。
それに対して、スクルドは防戦一方で、受けるだけで精一杯だ。完全にいたぶられている。
「おのれ、あまり舐めるなよ」
エミリアの言葉で怒りに火が付いたのか、再び“闘気”をまとわせたスクルドが、初めてエミリアの剣を後ろへ弾き飛ばした。
「ふん。こちらも遊んでいる暇はない。
お仕舞にしよう」
エミリアが真顔になってスクルドの胸元に向けて剣を構えた。
間髪入れず、フェンシングのように片腕を真っすぐに伸ばして突いてきた。
スクルドは咄嗟の判断で、剣で避けるよりも、カウンターのように、同時に突いて出ることを選んだ。
相打ちのように見えたのは一瞬だった。
エミリアは反射神経も並々ならぬものがあるようだ。
スクルドの突きを体半ひねり程度で交わしており、ブラッド・パールの切っ先は、完全に空を切っていた。
一方、エミリアの放った一撃は、スクルドの甲冑を貫いていた。
がくりと首を垂らし、右手からブラッド・パールが零れ落ちた。
力をなくし、上体を相手の方に預けるようにして立っていたが、エミリアが剣を胸元から引き抜くと、膝から崩れ落ちた。
「スクルド!」
周りにいた“姉妹”たちが悲鳴を上げて駆け寄り、スクルドの上半身を抱きかかえた。
「次はお前の番だ、クレア。さあ、その剣を取れ」
エミリアは、スクルドが落とした剣を拾って、クレアの前に放った。
投げられた宝剣の刀身が、天中近くに上った太陽の光を受けて、ダイヤモンドとルビーを混ぜたような美しいピンク色に輝いていた。
窮地に立たされていたにも関わらず、自分でも不思議だが、そんな場違いな感想を抱いていた。
「どうした、何を呆けている。
剣を取らぬのなら、このまま斬るぞ」
クレアは覚悟を決めた。
取敢えず、ここはこの剣を取るしかない。
(そうよ、思い出すのよ。
宮廷の屋上でこの剣を借りたときのことを。
あの時のようにこの剣が扱えれば、少しは抵抗できるはずだわ)
クレアは地面に転がっているブラッド・パールを手に取った。
最初に持った時にも感じたが、この剣はやはり“軽い”。
この“質感”と“量感”は何かに似ている。
そうだ、バイオリンのボウにそっくりなのだ。
もちろん、金属と木製という違いはあるが、最高級のフェルナン・ブコ材のボウと同じ質感だ。
ロペスからビオロンを借りたので、剣と弓の重量に違いのあることは確かに知っているが、そうした重さを感じさせないのだ。
「ん? 何か思い出したか?」
クレアが刀身をまじまじと見ていたので、エミリアが尋ねた。
「さっきから、私が『思い出す』って、何のことを言っているのかしら?」
「思い出せないのなら、別に構わん。剣を交えるうちに思い出すのだな」
エミリアがいきなり先制攻撃を仕掛けてきた。
だが、クレアが自分に立ち向かえるだけの“力”がないことは重々承知の上だ。
傍からすれば、エミリアの左右から攻撃を、スクルドと同じように受けているように見えたが、かなり手加減をしていることがクレアにもわかった。
どうやら、一息に仕留める気はなさそうだ。だが、安心はできない。
エミリアの剣を何度か受け止めたのち、“まぐれ”だろうか、クレアは、自分でも思いも寄らぬ動きで、下段から斜め上に切り上げる形で剣を振り切っていた。
剣の切っ先は、物理的に相手の懐まで届くことはなかったが、空を切ったその軌跡が、宮廷の石垣に刀傷を付けたときと同じように、エミリアの白い衣の裾を掠めた。
エミリアが「はっ」として自分の裾を見ると、その一部が剃刀で削いだようにスッパリと切れていた。
身体にまでは届かなかったが、その太刀筋を見て、エミリアはいったん後ろに飛び退いた。
「驚いたな。記憶は失っていても、やはりその体が剣の扱い方を覚えているのか。
見事な剣捌きだ」
クレアは何を褒められたのか、よくわからなかった。
エミリアの裾を切ることができたのは、この“宝刀”の威力のお陰だと、単純に思ったからだ。
「だが、所詮はそこまでだ。
お前が、このまま戦えば、確実に私に殺されるだろう」
(何をいまさら)とクレアは思った。
「記憶が蘇らないまま、殺されるのも癪だろう。
だから、少しだけ教えといてやる」
エミリアは、戦闘モードを解いて、話を始めた。
「クレア。お前は、なんでこの世界に呼ばれたのか、きっと知らないのだろう」
「エミリア様」
離れたところで恐々と、これまでの戦いの様子を見守っていたマチルダが囁くように呼びかけた。
「いいんだ、マチルダ。
少しぐらい説明してもルール違反ではあるまい。
まず、誤解を解いておくが、このマチルダは私の実の姉ではない。私の従者だ。齢は私の方が下だがな。その点では、姉だな」
エミリアは、マチルダの方を剣で指示して笑った。
「お前のことを助けた理由は、この前の手紙で説明したことに嘘はない。
この世界にやってきたのに、お前の記憶が戻らないので、最低限行き残れるように、手助けしたのだ」
「どういうこと?
さっきから、思い出すとか、記憶が戻らないとか、私が記憶喪失だとでもいうの?」
「早い話がそういうことだ」
それを聞いた瞬間、クレアは今自分がいる“この世界”への認識が曖昧になったような気がした。
少し気分が悪くなり、動悸が早まった。
何かのゲームをしていて、てっきりバーチャルな世界だと思っていたのに、実はそっちの世界が“現実”だったと、悟ったような感覚に近かった。
「お前がいた“あちらの世界”から、こちらの世界にやってくる人間は、“デュナミス”(潜勢態)と呼ばれているが、それには条件があるのだ」
エミリアが説明を続けた。
「それはたった一つの条件だ。
平たく言えば、こちらの世界で亡くなり、あちらの世界で生まれ変わった人間だということだ」
「何を言っているのか、さっぱりわからないわ」
クレアは頭が混乱してくるのがわかった。
先日、眠ったときの夢が断片的に蘇ってきた。
ワルキューレとともに、空を飛び、人間を下界から見下ろす自分の姿。
ということは、自分は“こちらの世界”でワルキューレだったのか。
「つまり、私は、この世界でワルキューレだったということ?」
「そうではない」
クレアが頭に浮かんだ疑問を口にすると、エミリアが立ちどころに否定した。
「お前は、我々と同じ“神族”の生まれだ」
クレアは危うく気を失いそうになった。
ひどく眩暈がする。何かに捕まっていないと倒れそうだった。
「ちょっと待って」
思わず、ブラッド・パールを地面に突き立てて体を支えていた。
「この世界に召喚されたとき、これまでのデュナミスは、自分の前世の記憶が蘇るのだ。
というより、デュナミスであるから、この世界に召喚できたわけで、それ以外の人間がこの世界にやってくることはないのだ」
「つまり、先日亡くなったエンゲルス王も、元々この世界の人だったということね」
「そういうことだ。
ただし、彼の前世は“人間”だったがな」
「まだ信じられない。
私の前世がこの世界の人間だったなんて」
「正確には人間ではないな。
いわゆる人族ではない。“神族”だ」
「この世界では、神も死ぬの?」
「お前がやってきた世界の“神”とは少し違うからな。精神的な存在ではなく、物理的な存在だから、もちろん、死ぬ」
「待って、待って。
私はタマナハ・クレアよ。
工学部の大学2年で、父親は弁護士で、バイオリンが弾けて、アルバイトもしてるし、ロリータファッション、特に黒系が好みで、で、普通の女の子だし……」
「落ち着け。混乱してるのか。
そのブラッド・パールは、元々、お前の持ち物だ」
クレアは、そう言われて、何か合点がいっている自分が不思議だった。
「その剣は、彼女たちワルキューレには使いこなすことはできない。
お前は、この裾を“衝撃波”を用いて切った。
それが“神族”である、何よりの証拠だ」
エミリアが指差した方を見ると、抱きかかえられていたスクルドが目を覚ましていた。
「クレア……」
呼び掛けたその声は、弱々しく苦痛で喘いでいた。
「ふん、結構、丈夫だな。
ワルキューレも、あの程度の傷では死なんだろう」
エミリアの声には、どこか安心したような響きがあった。
「エミリア。
なんでこんなことをするの?
普通に説明してくれればよかったじゃない」
それを聞いて、エミリアは驚いて目を見開いた。
「やはり、記憶が戻っていないな。
お前は“使命”を果たさずに元の世界に戻ろうとしている」
そして、今度は怒った表情に変わった。
「待って。
こちらの世界に招かれるとき、私はエリスという女性に“この世界”を救ってほしい”という依頼を受けて来たのよ。
そして、約束通りY国とT国を停戦に導いた。
直接自分で使命を果たしたとは、決して言えないかもしれないけれど、でも、任務は遂行したと思っているわ」
エミリアはじっと我慢するように聞いていたが、
持っていた剣に怒りを込めたように、ずぶりと地面に突き立てた。
「それが、そもそも違うのだ!」
その時だ。
〈ヒュルヒュルヒュル……〉
東の空の方から、打ち上げ花火が発射されたときのような甲高い音が聞こえて来た。
クレアやエリス、マチルダ、ワルキューレたち、動けないスクルドを除く、そこいた一同が、その音のする方角に目を向けた。
太陽はちょうど真上近くにあり、そのすぐ横を火球が尾を引きながら上空を通過していった。
飛行機雲のような白い軌跡がわずかに残り、西の方角へ消えた。
(この世界なら、飛行機のわけないし、隕石? ロケット?
まさか、ミサイル?)
クレアはさらに混乱する頭で考えを巡らせた。
中世のような甲冑を付けている一方、IDペンダントなどの優れた科学技術がある。そして、爆弾があることも知った。
科学の進歩の仕方が、自分の住む世界と異なることは、多いにあり得る。
すぐ近くで雷が鳴ったのかと思ったが、そうでないことがすぐにわかった。
続いて地面が大きく揺らぎ、大きな地震が起きたのか思った。
地鳴りはすぐに止み、火球が向かった先に、テレビや動画でしか見たことのない光景が広がった。
「これは……」
クレアは知っていた。
これはいわゆる“キノコ雲”と呼ばれる現象だ。
火山の爆発でも起きることがあるが、これは今飛んで行った火球によるものと考えた方がいいだろう。
「なんだ、これは?」
「きっと、核兵器だと思う」
西の方の空に浮かんだ巨大な白い雲を見つめるエミリアの疑問にクレアが答えた。
「核兵器だと?」
「知ってるの?」
「知ってるとも。
奴ら“人間”でなければ、作らない兵器だ。
また、作ったとしても、本当に使用するとはな」
クレアは、それが実際に使われた世界からやってきたのだ。
まさか、この世界でも、その悪魔の兵器に遭遇するとは思いも寄らなかったが。
「なぜ、この兵器が使われたのかは知らんが、クレアよ。
見ての通り、これが人間なのだ」
爆心地はいったいどの辺なのだろうか。
距離的に見て、Y国内であることは間違いなかった。
東の方角というと、T国だろうか。
それとも別の国からのミサイルだろうか。
詳しいことは不明だが、ミサイルが落ちた地点は、ただでは済まないだろう。
「実をいえば、お前を殺す気はない。
ひとまず帰らずに、我々に力を貸してほしい」
「力を貸すって、どういうこと?
再び起こりつつある、この争いを止めろということ?」
「そうではない。はっきり言おう。
我々“神族”が再び、愚かな人間どもを支配下に置くということだ」
クレアはそれを聞いてもさほど驚きはしなかった。
今までのやりとりで薄々は感づいていた。
「その昔、我々“神族”の中に一人の女性の英傑がいた。
彼女の名は“アルテミス”といって、それは本名ではなく、代々の女傑たちが、神話によって語り伝えられてきた、女神の名を名乗る習わしとなっていたのだ。
彼女は、人間どもの愚かな争いに巻き込まれ、道半ばにして亡くなった。
「アルテミス? じゃあ、そこにある弓も……」
「その弓も、元々“お前”が使っていたものだ」
「ちょっと待って、その話の流れからいくと」
「お察しの通り、クレア、お前こそ、アルテミスの生まれ変わりだ」
「そんなはずは……」
「ないとは言わせないぞ」
業を煮やしたのか、エミリアは、地面に突き立てていた剣を引き抜くと、クレア目掛けて横一文字に振った。
ふいを突かれたクレアは、自分の胸の辺りを剣が掠めたのを感じた。
〈キィーン〉
金属同士が思い切りぶち当たったような甲高い音がした。
ふと胸元を見ると、左胸に付けていたブローチに、エミリアの放った一撃が当たったようだ。
銀色のバラの花が半分消し飛んでいた。
「ジェニファーから貰ったブローチが……」
「我々に協力せずに帰るというなら、やはり、生かして返すわけにはいかない」
「エミリア様。
それではお約束が……」
「マチルダ、悪く思うなよ。
彼女を殺ったあとは、私も彼女の後を追う」
ジェニファーから貰ったブローチを砕かれたことがひたすらショックで、クレアは彼女たちの会話を聞き逃していた。
スクルドを刺したときと同じようなエミリアの一撃が、胸の辺りを貫こうとしていた。
「クレア、危ない」
スクルドが声をあげたのに気づき、寸でで剣の腹で交わしたが、殺気を帯びた剣の衝撃波は凄まじく、体ごと弾き飛ばされていた。
クレアは背中から地面に落ちて、頭を強く打った。
「気を失ったか。
悪いが留めを刺すぞ」
エミリアはあおむけのまま倒れているクレアに近づき、その胸を刺すために剣を振り上げた。
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