エブリディ・ライク・ア・サンデー(その2)
翌日は雲一つない晴天だった。
遠くに朝靄が残っているが、ほぼ快晴と言っていいだろう。
クレアは、たぶん最後の日になるこの世界の朝の空気を肺いっぱいに吸い込んで、元に世界に戻れることを嬉しく思うと同時に、少しだけ寂しい感情が湧き出るのを我ながら不思議に感じるのだった。
別人とはいえ、大学の教室にいたパッツンヘアの男の子と同じ顔をした王様と出逢い、そして王は、革命軍によって討たれて死んだ。
ヨシムラ先生に似た海賊、もとい海軍の提督と出逢い、彼らと少しだけ仲良くなり、偉人たちの名前の付いた変な老人たちと会話を交わした。
そして、何より、姉のような妹のような、ワルキューレたちに助けられて、T国の屈強な兵士たちとの戦いを何とか切る抜けることができた。
長いようで短かった一週間も今日でお仕舞だ。
クレアが客間として使っている部屋の、宮廷の中庭側にせり出した、テニスコート一面分はあるような広いテラスから、上ってゆく朝日を見つめながら、そんなことをぼんやり考えていると、鳥の群れのような影がこちらに向かってやってくるのが見えた。
「スクルドだわ」
まだはっきりと姿が確認できないうちから、それの群れの先頭を飛んでいるのがスクルドであることをクレアは認めた。
クレアのいたテラスの先にスクルド、スコグル、グン、ヒルド、ゴンドゥルの五人のワルキューレが降り立った。
「クレア、最後の挨拶に来た」
「これまでいろいろとありがとう、スクルド、そしてみんな」
クレアは握手を求めて右手を差し出したが、そうした風習がないのか、スクルドは初めは何の合図かわからずに右手は下に降ろしたままだった。
「そうか、それがクレアの世界の別れの挨拶か」
そう言って、スクルドが右手を差し出し、握手を交わした。
「別れの挨拶というわけではないけど、何というか、これは、友好の印ね」
「友好? クレアは我々にとって、友ということか?」
「難しいわね。確かに友達という関係ではないけど、友好というのは、別に友達でなくても、交わすものよ」
「そうか、面白いな、クレアの世界の風習は」
スクルドが手を放すと、それを見ていた他のワルキューレたちも次々に右手を差し出してきた。
こうしてクレアは全員と握手を交わした。
「なんか不思議な別れの挨拶ね」
「自分から、友好の印と言ったではないか、なにかおかしいのか」
クレアはうまく説明できなくてもどかしかったが、日本人の『お辞儀』を初めて知って頭を下げる外国人のぎこちない挨拶に近いものを彼女たちの握手から感じたのだ。
「クレア、今日は、あなたが帰るまでの護衛を私と、スコグル、ヒルドの三人で務めることにしようと思う。残りの二人は、先見隊として先に行かせる」
「ありがとう。とても助かるわ」
クレアに彼女たちの護衛を断る理由はない。
護衛というよりも、自分のことを見送ってほしいと頼みたかったところだ。
「ゲートが開く時刻は、正午ちょうどということだけど、開いている時間は10分ぐらいだというから、少し余裕をもって出発しましょう。
支度をして降りていくから、宮廷の出口の門のところで一時間後に待ち合わせましょう」
クレアは、着の身着のままこちらの世界に来たので、特別に荷物というものがなかった。
自分が背負っていたリュックには教科書やノートが入っていたが、全く必要がないので、開けていない。
やってきた時と同じ服装に着替えると、エミリアから貰った服をどうしようか迷ったが、置いていくことにした。
包みごと部屋に残していけば、あとでメイドたちが始末してくれるだろう。
こちらの世界に来たことの証として持っていくことも考えたが、すでに「お土産」の品は貰っている。
思い出の品をこれ以上増やしてあとあと感傷に浸るのは、自分の趣味ではないと、自らに言い聞かせた。
*
「ゲートの前には、エリスが待機している。
エリスと一緒にゲートをくぐれば、元の『こどもミュージアム』にたどり着ける。
元の世界に帰ったら、その首にかけているペンダントをエリスに返せばいい。
それですべて終了だ」
流れる星々を眺めながら、ネルバが帰途の仕方について説明した。
口元は相変わらず、クリムトの特製ケーキを頬張りながら。この世界の妖精というのは、こんなに食いしん坊なのか。他の妖精を見ていないので、何とも言えないが。
「しかし、残念だな」
「何かしら?」
ネルバががっかりしたような口調で言ったので、クレアはどことなく腹立たしかった。
「君はもっと思慮深いと思ったよ、クレア」
「私が、思慮深くないとか、会ったばかりのあなたに言われたくないんだけど」
「考えてもみてごらん。
君は救世主としてこの世界に呼ばれたわけだ。
成り行きとはいえ、Y国の代表者ともいえる立場にいるわけだ。
このままこの世界に残るなら、『為政者』として君臨することもできるだろう」
「興味ないわね」
「おいおい、この世界では“英雄”として生きていけるんだぜ。
しかし元の世界での君はきっと平凡な人間のままで一生を終えることになるだろう」
「それでも全然構わないんだけど」
「欲がないんだね。
きっと、君はまだ若いからだろうな。
将来後悔するかもしれないよ」
「どうかしら。
平凡な人生と数奇な人生とで、どちらが幸せかなんて、計りようがないんじゃないの。
まあ、少なくとも、支配者というものに、私は全然興味がないわね」
「せっかく王の家に生まれたのに、王になりたくないという人も数多くいるしね。
……まあ、いいか」
そう言って、ネルバは皿に残った最後の一切れを口に頬張った。
この妖精は変なことを言うものだ。
クレアは生まれながらの“王”ではないのだ。
そのチャンスが巡ってきたとしても、それをふいにすることは欲のないことなのか。
特に望まないのであれば、それはそれでいいではないか。
「なんか、難しい話で盛り上がっているみたいね」
ジェニファーが酒瓶を片手にクレアの元にやってきた。
どうやら彼女も相当酒に強いらしい。
先ほどからかなり飲んでいるようだが、活舌もはっきりしているし、顔色もほとんど変わっていない。
あまり酔った様子には見えなかった。
ジェニファーは、スパーキー・レインを見終えたら国へ帰るようなことを言っていたが、結局のところ、停戦パーティーは、一晩中、夜通し続けられることになった。
考えてみれば、まだ暗い深夜から明け方にかけて家路に着くのは、返って危険ではある。
「では、これでパーティーはお開きということで」
胸ポケットから銀鎖の付いた懐中時計を取り出して、ビスマルクが唐突に宣言した。
「もうそんな時間ですかい」
「お嬢さん方をあまり遅くまで引き留めちゃ申し訳ないだろう」
ビスマルクが例のウインクをクレアの方に送った。
(あまり遅くって、もう夜明けも近いじゃないの)
クレアは内心呆れていたが、ビスマルクの冗談とも付かない態度には、すでに慣れ始めていた。
「じゃあ、ここで失礼するよ。
我々はこのパーティーの片づけを終えてから帰るので、お嬢さんたちは、先にどうぞ」
こうして、ビスマルクたちT国使節団に見送られる形で、クレア一行はY国側へ引き返してきたわけである。
「クレア、元気でね」
ジェニファーとは、お互いに、右手を軽く上げて別れの挨拶を交わした。
「そうだ、これ、あなたにあげるわ」
ジェニファーは、自分のベストの胸に付けていた銀色のブローチを外して、クレアの胸に付け替えた。
「これ、貰っていいの?」
何かの花の形を象った銀色のブローチは、クレアから見てもなかなかセンス良く見えた。
「海外に寄港したとき、露天商から買ったんだけど、素敵でしょう。
私にもよくわからない種類の花なんだけど」
それはどう見てもバラの花だった。
クレアの黒いジャケットの上にブローチを付けながら、ジェニファーがくすりと笑った。
T国にはバラの花が存在しないのだろうか。
Y国宮殿の庭園に咲き乱れているバラを彼女に見せてあげたら、きっとびっくりするに違いない。
「友達になった記念よ」
そういって、ジェニファーがクレアの肩をポンと叩いた。
彼女とはもう会うこともないだろう。
そう思うと最後に抱き合っておきたいという衝動に駆られたが、そこは立場があるので、ぐっと堪えることにした。
「お嬢さん、これ、差し上げます」
クレアとジェニファーのやりとりを見て、今度はロペスが自分のビオロンのケースをクレアの方に差し出してきたので、クレアはすぐさま辞退した。
「ダメよ、ロペスさん、それは受け取れないわ」
クレアが見たところ、その楽器は値段的にはそう大したことはないだろう。
だが、海外製のビオロンを、もう一度手に入れるのは、ロペスにとっては大変だろう。
「その好意だけは、受け取っておきます。
頑張ってビオロンを弾いてください」
「私もいつか、お嬢さんみたいに弾けるようになりますかね」
クレアは正直に答えたものかどうか、ちょっと迷ったが、すぐに周りから茶化された。
「おいおい、ロペス、お前には絶対無理だよ、
あの演奏は『神』のレベルだぜ」
「そうそう、『神』の音を、お前のような凡人が弾けっこねえだろ」
クレアは“神”という、その言葉を聞いて、心の隙間に一筋の電流が走ったような感覚を覚えた。
(神? 何だろう、この気分は。
“譬え”だということはわかっているのだが……)
一睡もせず、徹夜で過ごしたあとの早朝の空気は、都会とか田舎とかに関係なく、どこにいても新鮮に感じられるものだ。
きっと、人々の日中の活動で澱んだ大気中の『何か』が、一晩かけて濾されているのかもしれない。
詳しい理由はよくわからないが、クレアの住んでいる世界でも感じられるその新鮮な朝の空気の感触が、Y国への帰途に着きながら、この世界でも同様に感じられたことに、ある種の驚きがあった。
*
Y市は海に面しているので、港の近くでは感じにくいのだが、その地形は実のところ、起伏に富んでいる。
クレアが住んでいた元の世界の横浜市も、海から少し離れたところは、建物が密集しているので、目立たないが、かなり高台になっており、意外なほど坂道が多い。
宮廷のある丘から、元の世界の“こどもミュージアム”がある場所までは、いったん坂道を下って市街へ入り、門を潜って再び、丘を登っていく必要がある。
最短距離を取るのであれば、丘を切り崩したり、トンネルでも掘ればすぐにたどり着けるところだが、この世界ではそのような発想はないようだ。
この丘の上には、クレアが最初の戦闘に出くわした、戦場となったかなり広大な平野が広がっている。
ネルバが示した“元の世界へのゲート”は、その平野の一角にある万里の長城によく似たような、煉瓦を積み上げた“遺跡”のような壁伝いにあった。
「君がこの世界に抜け出てきたのは、そこにあった“ゲート”だよ。
まあ、君がこちらの世界に来た瞬間、すぐに消えてしまったけどね。それが明日の“正午”に現れる。
ゲートからエリスが出てくるので、すぐそれとわかるはずさ。
繰り返しになるが、このゲートは、10分ほどで閉じてしまうから、気を付けるようにね」
クレアはゲートの開門時間に間に合うように、十分に余裕をもって出発した。
万が一閉じてしまった場合、再びゲートが開くまで、さらに一週間もこの世界で暮らすことなど、考えただけでもぞっとする。
子供の頃、明日は遠足なので、早めに寝ようと思うと、興奮して妙に寝付けなかったり、入学試験なので、少し早めに家を出たのに、受験会場までの電車がトラブルで遅れたために、結局、試験開始まであまり時間がないまま会場入りしたりとか、これまでの経験があるだけに、嫌な予感が少しはあったが、昨夜は夜通しのパーティーのお陰で、少し仮眠を取っただけで朝は早く起きることができたし、道中までは、遅刻の原因となるような電車に乗ることもない。
スパーキー・レインが堪能できた翌日とあって、その日も快晴で、スクルドをはじめ、心強い共を連れ立って、クレアはピクニックにでも行くような気分で市街から丘へと続く門を潜り抜けた。
「ちょっと待って」
クレアは門を潜り抜けてから、Y市街の方を振り返ってみた。
特に感慨深いわけではないが、これが見納めと考えると、少しだけ感傷的な気分になった。
これ以上この世界にはいたくないのに、いざ離れるとなると、寂しくなる。
全く、人間というのは、贅沢な生き物だとクレアは思った。
「クレア、何か忘れものか?」
スクルドには、そうした感情がないのだろうか。
不思議な生き物を見つめるように、クレアに問い掛けた。
「いえ、行きましょう」
クレアは、馬車を操るヒルドに呼びかけた。
ゲートが開く丘の上には、ちょうど一時間前ぐらいに到着した。
ほぼ一週間前、この場は凄惨を極める戦場となっていた。
それが今は、宅地増造成中のような、割と新しめの土塊がほうぼうに盛られている。一見すると、巨大な蟻塚のようだが、その地面の下には、兵士たちの死体が埋まっているはずだ。
だが、今はその凄惨さは微塵も感じられない。
陽の光が静かに土塊を照らし、心地よいそよ風が、兵士に踏み荒らされることなく残っている低木や雑草を静かに揺らしていた。
「お弁当でも持ってくればよかったわね」
「オ、ベントー? なんだ、それは?」
「携帯用の食事ってところかな。そう言ってしまうと味気ないけど……、普通は、弁当箱という箱の中に、卵焼きとか、ウインナーとか、いろんなおかずを詰め込んだりして、かなり素敵な食べ物よ」
「人間は不便だな、四六時中、いつも食ってばかりいる」
「そういえば、あなたたち、ワルキューレは人間じゃないのよね?」
「我々は、半神族といわれている。
神と人とのあいの子、といったところだな。エネルギーとしての食事は取るが、人間ほど頻繁ではない」
「ハンシンゾクかあ、なんかカッコいい響きね」
そういえば、知り合ってからだいぶ経つのに、ワルキューレについてはほとんどというか、全く知らない。
「それはそうと、これは返さなくちゃね」
クレアは、腰にぶら下げていたブラッド・パールをベルトごと外して、スクルドへ手渡した。
傍らに持っていた弓は、エリスが現れたときに返せばいいだろう。
「うむ。あなたがこの世界に留まるのであれば、その剣は授けたいと思っていたのだが、元の世界に戻るのであれば、きっと邪魔になるだけだろう」
「そうね、間違いなく、必要ないわ」
元の世界に戻り、キャンパス内でブラッド・パールを振り回す自分の姿を想像してみたが、中二病を併発していたコスプレ少女が、ついに発狂して暴れていると思われるのが落ちだろう。
それにしても、万里の長城のような壁の一部に粗末な潜り戸があるが、これが元の世界に戻るためのゲートなのだろうか。
古くなった木製の戸は半分開きっぱなしで、向こう側には何もない。これではなさそうだが、ゲートらしきもはほかには見当たらなかった。
まだエリスの姿も見えないので、ゲートがどのような形で出現するのか皆目見当もつかなかった。
「タマナハ・クレア」
ふいに自分の名前を呼ぶ女性の声がしたので、クレアは辺りを見回した。
今まで誰もいなかった少し離れた場所に二人の女性の人影があった。
一瞬、クレアは自分と一緒に連れ立ってきたワルキューレが、自分を呼んでいるのかと思ったが、違った。
髪型こそ、ワルキューレと同じように後ろ手に一本で結んでいたが、身に着けているものは、古代ギリシャか、ローマの神官たちが着るような白い一枚布のような服だった。
「エミリア、それにマチルダ」
最初は気づかなかったが、その二人の女性は、まぎれもなく、傷ついたクレアの面倒を見てくれたマチルダとエミリア姉妹だった。
「見送りに来てくれたのね」
先日はふいに現れて、再び消えてしまい、少しがっかりしたが、こうして二人揃って再びこの場に来てくれるのは、やはり嬉しかった。
クレアは二人の元に駆け寄ろうとしたが、立ち止まらざるを得なかった。
エミリアが後ろ手に持っていた剣を取り出して、切っ先をクレアの前に突き付けたからだ。
「止まれ。ちょっと聞きたいことがある」
「……」
エミリアは剣を突き付けながら、クレアの目の中をじっと覗き込むようにしばらく睨んでいたが、諦めたかのように両目を閉じた。
「私が、誰だか、やはり思い出せないのだな」
「何言ってるの?
あなたは、エミリアでしょ?
で、そっちにいるのが、あなたのお姉さんのマチルダよね」
「違う! これは“姉”ではない」
エミリアはそう叫ぶと、持っていた剣を振り上げ、クレアの方へ振り下ろした。
マチルダが「エミリア様!」と小声で叫びながら両手で顔を覆ったのと同時だった。
「危ない」
その仕草を見て、クレアの傍にいたスクルドが咄嗟にクレアを脇へ押しやった。
スクルドに押されて、クレアは足元から地面に倒れこんだ。
起き上がろうとして横を見ると、スクルドが肩を抑えて膝まづいていた。
いったい何が起きたというのか、すぐに判断が付かなかった。
だが、すぐにわかった。
エミリアが自分を切り付けようとしたのを見て、スクルドが庇って切られたというわけか。
しかし、エミリアとクレアとの間合いは、十分にある。
この剣は空気を切り裂いて、眼前にある物質をカミソリのように刻むような類なのか。
クレアは、自分が“借りた”ブラッド・パールに似ていると思った。
「タマナハ・クレア。
あえて、“お前”と呼ばせてもらうが、お前は、自分がこの世界に呼ばれた理由と目的を、結局思い出すことなく、元の世界に戻ろうというのだな」
エミリアはなぜか怒っている。
理不尽としか言いようがない。
思い出すも何も、自分はネルバというわけのわからない妖精に、なかば騙されてこの世界に連れてこられただけだ。
「私は、この世界を救ってほしいというわけのわからないミッションを受けただけよ。
なんで最後にこんな仕打ちを受けなきゃいけないの?」
完璧とはいえないまでも、授かったミッションは十分にこなしたはずだ。
切られた肩口を抑えながら、歯を食いしばっているスクルドを見て、クレアは、逆に怒りを覚え始めていた。
「ほう、怒ることはできるのか、では、その怒りを我にぶつけて見せよ」
本当に彼女は、あのエミリアなんだろうか。
介抱してくれときとは、まるで別人のようだ。
もしかすると、中身が入れ替わっているのではないかと、一瞬疑ったが、どうやらそうではなさそうだ。
「おい、その“宝剣”を彼女に返してやれ」
エミリアは、クレアから手渡されてたブラッド・パールを杖代わりに膝を付いていたスクルドに向かって命じた。
「クレア、その剣を持って、私と闘え。
私に勝ったら、元の世界に無事返してやる」
何を言っているのだろうか、今見ただけでも、ふいを突かれたとはいえ、一振りでスクルドを傷つけることができるほどの彼女を相手に、素人の自分が勝てるわけがないではないか。
「ちょっと、待って。
勝ったら返すって、どういうことかしら。
負けたらどうなるの?」
クレアの問いかけに、エミリアがここ来て初めて笑った。
「負ければ、死ぬ、それだけだ」
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