大声

@kaka04

第1話

「あぁぁー!!」


夜の静寂を壊す大声。


どうやら今日も誰かが廊下で大声をあげているようだ。


今日こそは音の犯人を突きとめてやる。


ドアスコープから廊下を覗いて見る。

誰もいない。


大声の犯人と鉢合わせするのは怖い気もしたが、思い切って外に出た。


誰もいない。いや、廊下の先に小さなビニール袋がある。


「あぁぁー!!」


ビニール袋の中から声がしているようだ。


私は恐る恐るビニール袋を開く。


そこには


右半分が老婆

左半分が老爺の顔が大きな口を開きながら、「あぁぁー!!」

と大声を出していた。


私はそっとビニール袋を結び、外に投げ捨てた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

大声 @kaka04

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ