食糧ゲット
という感じで、
俺たちがソロキャンを楽しんでいた場所と同じ、ソロキャン用のエリアだ。
「これは、ひどいですね……」
「着の身着のまま逃げ出したって感じですね。荷物もぐちゃぐちゃ……」
ゾンビたちをあらかた
テントはほとんどそのままで、たまに壊れている。
さて、腹が減った俺の狙いはこれらではない。
この、いくつかのテントの中に残されているクーラーボックス。
「あった!」
「「「え!」」」
申し訳ないとは思うが、こっちも食わなければ。
空腹も限界だ。これ以上耐えられない!
俺たちは断食に挑戦しにきたわけじゃなく、絶好の景色を一人気ままに楽しみながら、美味いバーベキューを独り占めしに来ているのだ!
まあ、俺はそもそもソロキャンに来ている
それでも絶食はきつい!
クーラーボックスには飲み物と使われていないパックに入った、バーベキュー用の肉や袋に入った野菜が入っている。
他のテントのクーラーボックスも確認すると、四人で食べても問題なさそうな量の食材が集まった。
「おお〜!」
「これなら全員お腹いっぱい食べられそうですね!」
「すごいです、
「もしかして、って思ったけど、本当に残っていてるとは思わなかったよ。やってみるもんだね」
ははは、と笑いつつ
まあ、蔑まれるよりはいいか?
「これを持って炊事場に行きましょう」
「ああ!」
「他にも生存者がいるといいんですが」
とりあえず一際大きなクーラーボックスに食材をまとめて入れて、一番の力持ちである
もうすぐ飯が食えるとそわそわして、朝の不機嫌さが嘘のようだ。
俺としては、このまま何事もなく飯が食えればそれでいいんだけど……。
「炊事場を俺と
「あ、そうですね! 確実にご飯にありつくためにも!」
「食糧は必ず守り抜くぜ!」
「はい! よろしくお願いします!」
「お、おう……」
気合いが……いや、気迫が?
いやもう三人の目がマジすぎる。
まあ、丸一日食ってないもんな。
俺も確実に飯を食いたい。
そのためには、炊事場のゴミを綺麗に掃除しなければならない。
「行こう、
「はい!」
もう、なんかこう、殺るぞ!って感じの。
二人で頷き合い、炊事場に突撃する。
パッと見た感じ炊事場に敵はいない。
しかし、逆に静かすぎるのが不安を煽る。
いつ、どこから襲われるかわからない緊張感の張り詰める空気。
「これは……なにかいますね」
「ああ……下見に来て正解だったかもな」
迂闊に近づけない感じがするんだよな。
……めちゃくちゃ怖ぇ……。
鳥肌が止まらないんだよな、ここ。
「私が炊事場に近づいてみます」
「気をつけるんだぞ。今朝戦ったイソギンチャクみたいに、姿が見えづらい敵かもしれない。蜘蛛やスライムみたいなクリーチャーまでいたんだし、空を飛ぶ敵や地面から飛び出してくるようなやつが出てきても不思議じゃない」
「はい、気をつけます!」
よし、それとなくエリアボスについて伝えられたな。
——ここ、炊事場のエリアボスはハーピーだ。
両腕が翼になった、鋭い爪を持つ長い両脚のクリーチャー。
炊事場の屋根に取りついており、近づくと襲ってくる。
倒し方は、手に入れたばかりのレッグパーツでジャンプして、蹴りを入れて地面に叩き落とす。
数分間スタン状態になるので、そこを殴る蹴るの物理フルボッコ。
エリアボスの中では比較的見た目が綺麗な部類だが、攻撃方法は上から鋭い爪で何度も蹴ってくる。
頭や背中は生身のままなので、何度も食らうとうら若き乙女の肌に傷が残ることになってしまう。
とりあえず小石をいくつか拾っておいて、と。
「えっ」
炊事場に近づく
その前に、一体のゾンビが落下してくる。
うっあ……グッロ……。
久しぶりにガチグロ映像が流れてるな。
『ピイイ!』
「!?」
食べていたゾンビを炊事場の屋根に踏みつけて潰すと、翼を広げて飛び上がった。
マジ、ゲームの時と同じ登場じゃん。
「上だ!
やはり、炊事場の屋根から複数のゾンビが落ちてくる。
ゾンビに気を取られる背中を狙って、ハーピーが急降下してくる。
マジで姑息な!
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