第13話 エピローグーー後日談
「ーー以上が、今回の事件の真相です」
ーー パタン……
事件のファイルが
黄道の手によって閉じられる。
「結局、詳しい真相はわからず仕舞いか……」
残念そうに言う総監に
「俺の推測通りかも知れないし。他に真相があるのかも知れません。彼らの口は堅く、今後調べたとしても、これ以上の進展は見込めないかと」
黄道は窓の外に視線を移した。
「君は…いつまで黙っているつもりなんだ?」
平田警視総監が口を開く。「真実を……」
「…何がです?」
尚も素知らぬ顔に総監は微笑んだ。
「わたしは君が、違う遺灰を遺族に渡した事ぐらい、当に気づいているのだが…?」
「やっぱり…気づかれていましたか……?」
黄道も同じように微笑んだ。
「それで、遺族には…誰の遺灰を渡したのかね?」
「無縁仏を。…警察関係の病院に自分自身を提供してくれた被検者です」
黄道は
再び、窓の外に視線を移す。
「俺には【彼ら】から、彼女を引き離す事は出来ません」
風が
舞い散る桜の花びらをーー散らせていった。
《終》
赤城 圭一郎の事件簿 Vol.1 入江 璃 @Ryou1964
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