【一章完結】 エロゲ大好き変態引きこもり幼馴染と毎日放課後に会っていたら、なぜか美少女たちのパンツが集まってくるようになった~俺は変態じゃないんだ! 見せるな脱ぐな、俺のを履くな!!!~
第9話 引きこもり幼馴染はわがままで、咲綾ちゃんはかかり気味
第9話 引きこもり幼馴染はわがままで、咲綾ちゃんはかかり気味
「だから彼女じゃないって……だったら朱莉、俺と一緒に来いよ! 朱莉と俺がデートすれば解決じゃねえか!」
「……え?」
男女ペアでしか貰えない地獄のコラボカフェのグッズ問題の、きれいな解決案を俺が出すとキョトンとした声で朱莉がそう呟いて……なんでわかんないだよ、これが!
「お前だって女だろ? だから俺とお前で一緒に行けばいいじゃないか、二人で行けばグッズ貰えるんだし。それが一番丸い選択肢じゃないのか? もしかして自分の性別忘れたか?」
確かに年がら年中エロゲしてオナニー三昧で俺の服着てパンツ履いてパンツ被ってるけど。
でもこいつは一応性別は女だし、俺と一緒に行けばグッズは貰えるわけで。
それに外に出て人混みになれさせて、店員さんとコミュニケーションとか取れれば学校に行く手立てにもなるわけで。
だから朱莉と俺の二人で行くのが最適だと思う、藤沢さんとも付き合ってないんだし。
「わ、忘れるわけないだろ! で、でもそんな急に……私じゃ無理だ。人混み怖いし、コミュニケーション取れないし、それに……とにかく優也の迷惑になる! だから無理だ、私以外と行ってくれ!」
でも、朱莉の方からは良い返事は得られなくて……俺はお前の事思って行ってるんだぞ、ていうか朱莉自身の問題だろ、欲望だろこれは!
「迷惑なんてならない。昔言ったろ、朱莉が何しても俺は大丈夫、って……だから大丈夫、何しても迷惑とか思わない。朱莉が欲しい物なんだから朱莉自身が動かないとダメだろ? だから一緒に行くぞ、これも社会勉強だ」
「昔のこと言うのはずるい……そんなこと言われたら……で、でもやっぱりダメだ!私じゃ優也と一緒にはいけない。優也の迷惑なるのやだし、優也がそれで私の事、私に……と、とにかく! このパンツは返す、返すからコラボカフェ行ってくれ、私以外のやつと! そしてもう帰れ、今日は帰ってくれ!」
もごもごと口を動かして、聞き取れないような声で色々と言った朱莉はぐいぐいと俺の背中を押してドアの外へ押し出そうとする。
「ちょ、朱莉! 俺はお前のためを思って……」
「そんなのどうでもいいの! 帰って、返すから帰って!」
俺の手に緑のパンツを握らすと、そのままドアの外に追い出してカギをガチャリ。
完全に閉じこもって、外から入れない体制の出来上がり。
……ホントわがままだな、朱莉は。
わがままで自分勝手で強情で、嫌な事からは逃げて、不利になったら逃げて、変態でオナニーとエロゲ中毒者で。
デリカシーの欠片もなくて、俺がいても関係なしに下ネタ言って、すぐにパンツ見せつけてきて……言い出したらキリがないくらいに嫌なところがあって、女のことは到底思えない奴で。
……でもこんなんでも幼馴染だから。
幼馴染でずっと仲良しの友達だから、ほっとけないから。
また一緒に学校に行けるようになりたいから、昔みたいに一緒に。
「わかった、今日は帰る。コラボカフェにも行ってやる……で、他の子と予定は組むけど、俺と行きたくなったら行ってくれよ。いつでも一緒に行ってやるから。朱莉と一緒にいつでも行ってやるからな。待ってるからな、朱莉」
ドア越しにそう言って階段を降りる。
「……ん」
ドアの向こうからは「わかった」と小さな声が聞こえた気がした。
☆
「ただいま~、って冬華? どこ行くんだ、そんなオシャレして?」
朱莉の家を出て(パンツはカバンにしまって)隣の自分の家、ドアを開けるとめっちゃオシャレした妹が玄関で色々準備していた。
「あ、お兄お帰り。どこって彼氏の家」
そうあっけらかんと答える妹の冬華(中2)。
確か俺の1つ上だったっけ、こいつの彼氏……進んでんな、今の中学生。
「まあね~。それじゃあ夜遅くなるかもだけど、お母さんにはうまく言っといて……あ、そうだ! 今日も咲綾来てるけど、私がいないからって変な気を起こしちゃダメだからね! パンツの匂いとか嗅いじゃダメよ!」
「はいはい、起こしませんしうまく言っときますよ。それじゃあいってらっしゃ……あ、そうだ冬華。今週の日曜日暇か?」
「お兄は変態だから咲綾が心配……って日曜? 多分暇だけどなんかあるの?」
「いや、ちょっと一緒に出掛けないか、って思ってな」
冬華も女の子だし、妹でもグッズは貰えるし。
冬華がついて来てくれればグッズ回収は楽になる……おっとしかし、この顔はまずい顔ですな、相当気持ち悪がってますな!
「お兄、妹をデートに誘うとかキモ……彼女いないのは知ってたけどそこまでか? 妹に欲情するまで堕ちたのか、お兄は? マジでキモイよ、お兄! この変態お兄! 変態バカチンお兄! 私とデートしたかったんかお兄は、女子に飢えすぎて狂ったんか! 咲綾に手を出しちゃダメだかんね!」
「そんな言うか……まあいいや、お前を誘った俺がバカだった。わかった、この話はなしで。それじゃあ彼氏と楽しんで来いよ」
「大体は冗談、本気にすんなよ……お兄に言われなくても楽しみますよ! それじゃあ行ってくるねお兄……くれぐれも咲綾には手を出すなよ!」
「出さないって、そんな釘ささんでも」
「ふふっ、心配だかんね……それじゃあ行ってきます! お兄あとはよろしくね!」
そう満面の笑みで家を飛び出す冬華に思いっきり手を振る。
しかし最近冬華の俺の扱いが酷い気がする……思春期だからしょうがないんだろうけど。
「お、お兄さん、お邪魔してます……咲綾です」
そんな事を考えていると、ドアの隙間からひょこっと顔を出して、咲綾ちゃんが挨拶してくれる。
……咲綾ちゃん友達の家で一人残されるとかよくよく考えると地獄だな。
「咲綾ちゃん久しぶり。ごめんね、うちの冬華が友達置いて彼氏のとこ行くような奴で」
「いえ、慣れてますから……そのお兄さん、ここ、座ってください! 咲綾の隣、座ってください!」
少し恥ずかしそうに言った咲綾ちゃんがポンポンと自分の座っているソファをの隣を叩く。何なに、どうしたの?
「どうしたの急に? 先着替えてきてもいい?」
「あ、そうですね、お兄さん制服ですもんね! ごめんなさい、気づかなくて!」
「落ち着いて、大丈夫だよ。それじゃあ着替えてくるからちょっと待ってて」
あわあわ申し訳なさそうに慌てる咲綾ちゃんにそう言って、俺は自分の部屋に向かう。
制服脱いで、私服に着替えて、後は……
「……エロイな、このパンツ。えっちパンツじゃん、ホントに」
カバンの中に突っ込んだパンツをまじまじと見てそんな感想が洩れる。
朱莉が持ってるときは何も思わなかったけど、よく見るとすごくエロ可愛くて、これを藤沢さんが履いていて、だからつまり……ダメダメダメ、そんな事考えちゃダメ!
明日は藤沢さんの事怒らなきゃなんだから、なんでこんなことしたから聞いて怒らなきゃなんだから、だからそんな妄想は……でもちょっとくらい、これは藤沢さんの大事な……ああ、ダメダメダメ! ダメ!
これはしまいます、袋に入れてしまいます、そして明日返すんです、洗ってないとかは言わないで……でもすごくえっちな……だからダメ!!!
☆
「お待たせ、咲綾ちゃん。隣座ればいい?」
しばらくパンツに葛藤した後、それに何とか打ち勝って下の階に降りる。
リビングにはさっきと同じように咲綾ちゃんがソファにちょこんと座っていた。
「はい、お願いします……んっ!」
「……咲綾ちゃん? どうしたの?」
て言われたとおりに隣に座ると、咲綾ちゃんがぎゅっぎゅと俺の方に距離を詰めてきて、身体が当たるくらいの距離まで詰めてきて。
珍しいな、咲綾ちゃんいつもはこんなことしないのに。
「……あんなこと言ってますけど、冬華ちゃんはお兄さんの事そんなに嫌ってないと思います。お兄さんの話たまに冬華ちゃんから聞きますし、話してるとき嬉しそうですし……だから冬華ちゃんはお兄さんの事、好きだと思いますよ」
俺の困惑をよそに、距離を詰めた咲綾ちゃんはぽつぽつと話し始める。
内容は冬華の話で……何の話ですか?
「本当にどうしたの? なんで急にそんな話?」
「……お兄さん、優しくて頼りがいがあって、色々遊んでくれて、わがままとか聞いてくれて、勉強とか教えてくれて……最高のお兄さんだと思います。すごくいいお兄さんだと思います、だから冬華ちゃんもからかってるだけで、本当はお兄さんの事好きだと思います、大好きだと思います」
「……本当に何なの、咲綾ちゃん? 褒めてくれるのは嬉しいけど、話が読めないし、それに照れくさいよ」
「お兄さんはすごいお兄さんだ、ってことです……だから、その……私もお兄さんの事好きです」
「……え?」
「……私もお兄さんの事、好きです。お兄さんの事、咲綾も好きですよ」
俺にもたれかかるよに、小さな体を預けるようにしながら。
温かい体温ととろんとした瞳で俺の方を見つめてそう言った。
……え?
★★★
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