第7話 引きこもり幼馴染はパンツを被りたい

「優也様、今頃楽しんでいらっしゃるでしょうか。私のパンツでめろめろになってそのまま……優也様嬉しいですわ。日和のパンツでそんなに、それに私の事もそんなにいっぱい、激しく……いけませんわ優也様、日和はもうとろとろですわ、とろけてしまいますわ……んっ、優也様、優也さまぁ……」

 もう明日が待ちきれませんわ。

 身体が優也様を求めて……求めてもうぽやぽやとろとろですわ。


「んっ、あっ、あんっ……優也様、優也様……」



 ☆


「優也に彼女が出来たなんて信じられないな! それになんだかモヤモヤ、私の優……こほん。しかし、こんなエロいパンツをくれるなんて……とんだ痴女だな、お前の彼女は!」


「お前が言うなよ、常にパンツのくせに……それに彼女じゃないって」

 ふりふりの緑色パンツをくるくる指で回して、ニヤニヤしながらそう言う朱莉に思わずため息。


 ……正直カバンからパンツが出てきた時は焦ったけど、こんなことするのは一人しかいないのでもうその点は克服した。誰の仕業かわかったからそこはもう大丈夫だ。

 それよりまずは朱莉からパンツを取り返すことだ、返さないと誤解されるし、それに藤沢さんはまだ彼女じゃない!


「うるさいなぁ、私はいいんだ。それより、彼女じゃないのか? 彼女じゃないとなるとこのパンツは何だ、優也どこかから盗ったのか? 下着ドロしたのか?」


「してねえよ、するかそんな事! イタズラだよ、イタズラ。イタズラで入れられたの、そのパンツ! その子に返すから、返せ!」

 そう言って手を伸ばすけど、朱莉はそのパンツをギュッと大事そうに抱きかかえる。


「ダメだ、私のエロエロ美少女パンツだ。それにいたずらで自分のパンツをあげるやつがどこにいる、催眠系のエロ漫画か? 優也のにパンツを入れるのがいじめになるって言う感じの催眠をかけたのか? 彼女じゃないのは良いけど、催眠かけたのか、それはドン引きなんだが」


「かけとらんわ、何だその同人誌。それに俺催眠系のエロは嫌いだ」


「催眠が嫌いな男とか存在したんだな。しかしこのパンツ、本当にエロエロだ……そいっ!」

 少し驚いたような声をあげた朱莉はそのままパンツを頭に被って……え、お前何してんの?


「おお、優也凄いぞ! このパンツ凄いぞ、美少女の匂いが半端じゃない! しかもホカホカぬるぬるむわむわで完全に脱ぎたてだ! 脱ぎたてほやほやのえちえち美少女パンツだ!!! はぁぁぁ~ん、素晴らしい! 美少女の匂いにくらくらしちゃいますわ~!!!」


「……」

 パンツを被って興奮の上ずった声をあげる朱莉に俺はもう声も出ない。

 ホント何してんだよ、こいつは、自分のパンツもそうだけどパンツは被らないと気にくわないの? 匂いかがないと気が済まないの? 他人のパンツだよ、犯罪の匂いがプンプンするよ?


「ん~、ホント素晴らしい匂い……このパンツはきっと銀髪の美少女だ、銀髪の絶世の美少女の匂いがする!!! あー、美少女に包まれてる最高の気分!!!」

 ……そして多分あってるんだよな、その特徴。

 確かに藤沢さんは銀髪でめっちゃ可愛いし、性格はアレだけど……そして朱莉はパンツを取れ、返さないとだから!


「ん~、無理! なんでこんな完璧なものを……ああん、ゆうや少し出てってくれ、出てってくれぇ! 興奮してきたムラムラしてきたオナニーしたくなってきた!」


「……お前マジでなぁ。お前ホントマジでなぁ!」


「ごたくは良いから早く出てって……もう我慢できない、自分を抑えられないよぉ、こんな美少女に包まれたら……あっ、んんっ、あんっ……」

 パンツを被りながら、俺のTシャツに手をつっこんで。

 熱っぽい喘ぎ声をあげる朱莉が身体を揺らすたびに聞こえるのはクチュクチュと言う水音で……ああ、もうこいつヤダ! 


「……勝手にアマプラ見るけど良いよな?」


「うん、いい、いいよゆうやぁ、もっとはげし……あんっ、んんっ」


「……ハァ」

 もうヤダ、この幼馴染ホントヤダ!

 人のパンツ被りながらオナニーする女の子なんて……もう人としてもダメだよ、顔は可愛いんだからもっとちゃんとしろよ、本当に更生させないと!

 せめて恥じらいは持ってくれ、昨日の夜のアレは何だったんだよ!


 ……そして藤沢さん! なんで俺のカバンの中にパンツ入れてるんですか、意味わかんないよ!? これまでの奇行である程度は慣れてたけど今日のは一段とわかんない、何ですかこれは!? 何の罰ゲーム!? 身に着けてるのは髪飾り以来だね、もうしなくていいのに!



 ☆


「優也、もう大丈夫、入っていいよ~」

 今日はおばさんがいないので下の階で麒麟の翼を見ていると、2階の方からどこか艶やかな朱莉の声が聞こえる。


 さっきまでかなりの長い間喘ぎ声が聞こえていたけど、あいつは一体何回したんだろうか? ホント何なんだこの幼馴染。


「おい、入るぞ。ちゃんとパンツ履いてるだろうな?」


「うん、履いている。だからもう大丈夫だ」

 そう言われたのでカチャッとドアを開けて部屋の中に入る。


「いやー、良かった、美少女パンツは最高だ! 今日はものすごく捗ったぞ!」

 むわっとした独特の匂いが部屋の中に充満し、その中央では妙にツヤツヤしたスッキリ顔で朱莉が椅子に座って腕を組む。そして机の上にはさっきのパンツ。

 何だか幸せそうですね、朱莉さん。

 そして匂いが嫌です、この匂い好きじゃないです。


「……取りあえずファブリーズ。ファブしろ、この匂い好きじゃない」


「そんな健康的なもの、この部屋にはない。気にするな、そんなに匂いもしないだろう……それより明日も美少女パンツを持ってこい、これは凄く良いものだ。このパンツも当然貰うが」


「貰うが、じゃねえよ、返せ! あとファブリーズくらい常備しろ!」

 誰が2枚目のパンツ貰ってくるか、人間性の欠如かよ。

 ファブリーズがないのはしょうがないとしてもそっちはダメだよ、絶対返せよそのパンツ! 色々誤解されるの嫌だからな!


「なんでだ、美少女パンツちゃんも私が貰った方が幸せになるに決まっている! だからこれは私のものだ、これからもオナニーに使うんだ!」


「そんなゴミみたいな使い方じゃなくて、せめて普通に使え! 絶対に元の持ち主に戻るのが一番じゃい! だから返せ!」


「ダメだ、これは私のパンツだ、私の美少女パンツちゃんだ! それにお前もアレだろ、優也もオナニーしたいんだろ? この銀髪美少女ちゃんと黒髪美少女である私のW美少女使用済みパンツを使ってオナニーしたいんだろ? 全く仕方ないなぁ、優也もヤリたい盛りの男だもんな!」


「うるさいなぁ、誰がそんな事するかよ! その子に返すつってんだろ、お前が持ってても碌なことにならないだろ!」


「ろくなことにするわ! オナニーに使うって言ってるだろ! あと鑑賞もするし妄想もする!」


「それがろくじゃねぇって言ってんだよ! せめて履けよ、パンツとしての役割果たしてやれよ!」

 自信満々にオナニーオナニー言う朱莉に強めの声で反撃。

 お前には性欲しかないのかよ、頭の中ピンクかよ!

 その性欲が許されるのは男子中学生だけだ、だから早く返せ!


「もう、優也も聞き分けが悪いなぁ……つまり優也はパンツが欲しいんだな?」


「聞き分け悪いのはどっちだよ、あとそんな事一言も言ってない。返せ、って言ってるんだよ!」


「まあまあ、落ち着け落ち着け、そうかっかするな。この美少女パンツは私のものにするから代わりに私のパンツをあげよう。なあに、両方とも美少女のパンツだ、さいした変わりはない」


「誰のせいだよ思ってんだよ、お前は……ってあ? 何、お前のパンツ?」


「そうだ、私のパンツだ。私も美少女、対価には十分。という事でほれ! ほれほれ、美少女のパンツだぞ、優也に出血大サービスだ! 家の中だし優也しかいないかし今日は恥ずかしくないやつだからな! ほれほれ優也にみせてやる!」


「十分なわけあるかい、お前のパンツなんて何の価値も……っておい! Tシャツ捲り上げてんじゃねえ、汚ねえもん見せんな目に毒だ……ってトランクス?」

 つらつらと訳の分からないことを話しながらスカートを捲り上げた朱莉の下腹部に見えるは男物のトランクス。

 黒い機能性に優れた俺も愛用するトランクス。


「……なんでトランクス履いてんだ?」


「ん、どうした? 可愛い女の子パンツじゃなくてガッカリしたのか? 私の可愛いパンツが見れなくてガッカリしたのか?」

 挑発するようにニヤニヤと顔を歪ませる。その顔あんまり似合わないからやめた方が良いよ。


「違うわ、なんで男物履いてるか聞いてんの。ていうか誰のだよ、それ」


「出所はヒミツ。でも男物のパンツは良いぞ、通気性もいいし、動きやすい。それに履き心地も悪くないからな」


「……お前リコリコ見てる?」


「ああ、もちろん。あのアニメは良い、最高だ。私はくるみが好きだな」


「俺は千束一択なんだけど、それは置いといて……そのパンツさ、なんか見覚えあるんだよなぁ」

 さっき出所はヒミツ、って朱莉は言ってたけど朱莉の履いているトランクスに見覚えがあるって言うか、中学に修学旅行の時に無くさないようにゴムの裏に自分の名前を……


「ちょ、な、何するんだ優也!? きゅ、急にはダメだ不意打ちは聞いていないぞ、こ、興奮しちゃったのか!? 私で興奮したのか、そ、それなら⋯⋯そ、そのそう言う事するならベッドで優しく、実は私も初めて……でも優也なら……」


「何言ってるんだよ、確認だよ確認!」


「か、確認? な、何の、だから初めて……ってダメ、今そこ触られると敏感になってるから……あんっ、や、やめてゆうや、もっと優しく……」


「変な声出すな、中までは見ねえよ!」

 いつもとは違う弱気な態度で身じろぎをする朱莉にそう言って、パンツのゴムの部分をひっくり返す。

 そこには俺の予想通り「黛優也」とマジックでしっかり書いてあって……


「ゆ、優也……私初めては優也って、だからその優也だったら嬉し……」


「俺のじゃねえか、俺のパンツじゃねえか!!! なんでお前が俺のパンツ履いてんだよ!?」

 なんで朱莉が履いてんだよ、Tシャツはまだ良いけどパンツはまずいだろ!

 朱莉が俺のパンツ履いてんのは色々まずいって、おばさんに絶対誤解されるし、ていうかなんで俺のパンツ持ってんだよ、朱莉!?



 ★★★

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