第25話 ローデン村とリンダウ村をつなぐ橋
わたしが人間に戻って、1か月がたった。
普通に生活をしていた。
しかし、ビリーやルーク、レオンにステラのことを思いださない日はなかった。
わたしは、会えないことはわかっているが記憶をたよりに探検をしたくなった。
そして、恩返しもしたかった。
――――
外にでて記憶をたよりに歩いた。
わたしが倒れていた草むらからこびとになって走った方向を思いだし、ゆっくり歩いた。
川や湖などはいっさいない。
ずっと草や木に覆われていた。
人間界からみると、すごく見にくい感じになっているのだろう。
歩いてきたところは、ずっと草でおおわれていた。
そろそろポストがみえるはず。
人間だとたいした距離ではないが、こびとだとかなりの距離だ。
わたしなんて体力なくて、息切れしてたっけ。
ポストを確認しようと、草を静かにかきわけた。
ポストがみあたらない。
草を丁寧に戻した。
ちゃんと戻しておかないと大変なことになっちゃう。
もうすこし奥側の草をかきわけた。
すると、ポストがあった。
やっぱり!
方向あってる。
このまま進めばローデン村だ。
わたしはまた、歩きはじめた。
そろそろこの辺りだろう。
みんなに会いたいけど、今のぞいたらただの巨人だ。
みんなびっくりしてしまう。
場所だけ確認できたからいいにしよう。
あとは、ステラのリンダウ村を確認してっと……。
あ~ここか~
あの大きく見えていた湖は、ただの入れ物に入った水たまりだったのか。
と、いうことはあの時乗せてもらったハクチョウだと思っていた鳥はハクチョウではない。
こんな小さなところにはこれない。
なんの鳥だったのだろう。
すずめの仲間なのか?
さすがに、すずめサイズくらいだろう。
この先に村があるってことか。
草をかきわけてみた。
村を確認した。
ローデン村からリンダウ村までの長さをだいたい確認して、近くに落ちている枝をもって帰ることにした。
家に帰ってから、わたしはもって帰ってきた枝を削り始めた。
ステラたちのために橋を作ろうと考えていた。
ローデン村とリンダウ村をつなぐ橋があったら、もっと楽に行き来できるだろうと考えた。
そこで、吊り橋を作ることにした。
枝を平らに削り、やすりで綺麗にした。
誰でも渡れるように手すりもつけることにした。
何年も使えるように頑丈に作った。
ルークたちに教えてもらった、紐の結び方でほどけないように結んだ。
何回もやり直し、ちゃんと乾かした。
試行錯誤し、やっと完成した。
やっと、できたー
さっそく明日設置しに行こう。
でも普通に起きているときにいったら大変なことになるから、みんなが寝ているときにいかないと。
そうなると、朝早くだな。
3時くらいで大丈夫かな~
まだ薄暗い感じなら寝ているだろう。
じゃあ、今日は早く寝よう。
その日、わたしは早く寝た。
そして、2時半に起きて静かに家をでた。
ローデン村とリンダウ村あたりについた。
入れ物に水がたまっていた。
ここだ!
さっそく、作ってきた吊り橋をリュックからだした。
静かに、そしてしっかりと木に紐を取り付けなくてはならない。
ゆっくりと作った橋をもって、紐を片方の木に結んだ。
もう片方もしっかりと結んだ。
4か所に結んだ。
あとは高さ調整だ。
あまり高くならないように、低めに調整した。
よし、できた!
あとは、みんながびっくりしないようにポストに手紙をいれた。
手紙の内容は……
『探偵団のみんなへ
みんなが楽に行き来できるように、ローデン村とリンダウ村をつなぐ橋を作りました。
お世話になったわたしからのお礼です。
突然橋なんかできたら驚くと思ったので、手紙を書くことにしました。
追伸……善吉さんも元気です』
――――
何日かたったある日、朝起きて窓を開けると窓枠に小さなボトルが置かれていた。
ん?
なんだろう。
あたりをみまわしたけどだれもいなかった。
でも、小さなボトルってことはルークたちだよね。
ボトルのふたを開けてみた。
すると、いい香りがした。
これは……。
ビリーのシチューだ!
ボトルと一緒に手紙が置いてあった。
そこには……。
ありがと!
と書かれていた。
わたしは橋を気にいってくれたのだと思った。
よかったー
ボトルの中のシチューをいただいた。
ほんの一口だったけど、とてもおいしかった。
ビリーの味だ!
そんなに時間はたってないのに、懐かしかった。
ビリーの料理が懐かしい。
ビリーと過ごした日々が懐かしい。
ルークたちと過ごした日々が懐かしい。
ルークたちと探偵団をしていたころが懐かしい。
みんなどうしているのかな~
そして、わたしはみんなにすっごく会いたくなっていた。
どうしたらみんなに会えるか考えた。
人間では会えないし~
あっ!!
わたしは思いついてしまった。
これならみんなに会える。
人間の姿で会っても大丈夫だ。
それは……すずなさんの神社で巫女になること。
さっそく、すずなさんの神社を探してなんとか巫女になれるようにお願いしてみよう。
あ、でもわたしまだ高校生だ。
ときどき、お手伝いさせてもらおう。
とにかく、すずなさんの神社の名前も知らないから、また記憶をたよりに近くの神社をさがすしかないな。
学校から帰ってきたら、探してみよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます