第19話 材料探しー蓮の実
桑の実を手にいれ、帰りに蓮の様子を見に行くことになった。
蓮は人間界でいう、池で育ちます。
こびと界では湖だろうか。
ちょっとした水たまりが池といったところだろう。
どのあたりに蓮があるのだろうか?
来るときは見当たらなかったけど……。
「そろそろ、見えるはずなんだけど……」
「あった! あそこ!」
ステラが指さした方を見てみた。
すると、緑の葉っぱがたくさんなっていた。
そしてその間からたくさんの蓮の実がなっていた。
まるでハチの巣のように穴があいていて、その中に実が入っている。
どうやら、その実だけが必要らしい。
近づいて確認をした。
「まだ、少し早い気がする」
「一応、もって帰ってみるか」
「そうだな」
ルークとレオンが話をしていた。
「ルナ、さっきの袋を1枚用意してくれ」
「わかった」
わたしは袋をひろげ、用意した。
「じゃあ、ここに集めるぞ」
「わたしにもできるかな?」
「ああ、教えるよ」
「うん」
ルークがわたしに取り方を教えてくれた。
蓮の葉っぱの上に登り、実のついたハチの巣みたいなものをルークが引っ張ってくれた。
その中の実を中から取り出した。
結構、自分の体全部が穴の中に入ってしまう感じです。
それを何回も繰り返し、ある程度とれたので下に降りっていった。
ビニール袋の上には蓮の実がいっぱいでした。
また、4隅をもって結びました。
「よし、とりあえずこれで一度戻ってみよう」
「「「おっけい」」」
――――
ローデン村に戻ってきた。
「「「「ビリー、ただいま」」」」
「おかえり、収穫はできたかい?」
「うん」
地下室の探偵団室のテーブルの上に、桑の実と蓮の実をだした。
「どうかな? ビリー」
「ん~桑の実はいい。でも、蓮の実はまだちょっと早いかもな」
「やっぱり」
え? だめか~
「蓮の実はあと3日くらいたったら、またとりにいってくれるかい?」
「うん、わかったよ」
とても残念だ。
でもしょうがない。
あと3日だと蓮の実はどのようにかわるんだろう。
「着々と材料が集まってきたね」
「うん」
「烏骨鶏の卵は最後にして、そのほかの材料を集めてくれ」
「はい」
「ちょうど、今日依頼がきたんだ」
おぅ、探偵団への依頼か。
今度はどんな依頼なんだろう。
「今度の依頼はペットのインコを探してほしいと、詳しいことはここに書かれている」
「わかりました」
わたしたちはみんなでその紙をみた。
『大事なペットのインコをさがしてください!名前はキキです。体の色は黄色で胸のところに黄緑のハートの形をしたマークがあります。キキと呼ぶと飛んできます。』
そう書かれていた。
「とりあえず、湖にいっていろんな鳥さんたちに探すのを手伝ってもらおう」
「そうだね」
ステラがわたしに話をしてきた。
「ルナ、ちょうどいいから笛をつくりなよ」
「え?」
「そうすれば、違う鳥さんにもお手伝いしてもらえるじゃない」
「そうだけど……、わたしが作った笛で本当に鳥が来るのかな……」
「大丈夫だよ」
「わかった、作ってみる。作り方教えてくれる?」
「いいよ」
――――
笛を作るための木を探しにいった。
「どんな木でもいいんだよ」
「う……ん」
「自分が気に入った木を選ぶと自然といい音がでるらしい」
「へえ~」
「おれらもそういって教えてもらったんだ」
「でも、ルークとレオンは指笛なんだよね」
「うん、今はね。最初は木で作った笛だよ」
「そうだったんだ」
「練習して、指笛ができるようになったんだ」
「でもそれぞれの音で違う鳥がよってくるのは面白いね」
「うん、きっとその鳥に近い泣き声なんだろうね」
「そっか」
ルークは指笛でフクロウを呼べる。
レオンはやはり指笛でつばめを5羽呼べる。
ステラは木で作った笛ですずめを呼べる。
わたしは何を呼べるんだろう。
はっ!
ふと目に入った綺麗な木だった。
わたしは手にとった。
「これはどうかな~」
「いいんじゃない?」
「ほんと、よかった」
「じゃあ、これに1つ穴をあけるんだ」
「うん」
「そして口をつけるところにも大き目な穴をあける」
「うん」
ルークがとがった硬い棒を貸してくれた。
これで穴をあけるらしい。
わたしはぐりぐり力いっぱい穴をあけた。
ようやく1つの穴があいた。
「よし、ルナ。あとは口のところをこんどはこの平らなもう少しとがった棒であけるんだ」
「わかった」
わたしはステラの笛をみながら一生懸命、笛を作った。
その間に、ルークはフクロウのエルにインコ探しの手伝いを頼んでいた。
レオンのつばめは今は休憩中だから今はまだ頼めない。
このあとの烏骨鶏の卵をとりに行くときに活躍しなくてはならないからだ。
ステラのすずめたちが10羽くらいいただろうか、手伝いを頼んだ。
「できた!」
ついにわたしの笛が完成した。
ステラのすずめたちが戻ってきた。
どうやら、探しているインコを最近見かけたという情報があったらしい。
すごい、鳥同士の情報網。
「よし、とにかく近くまでいってみよう」
わたしたちは走ってすずめのあとを追った。
「この辺らしい。人間がいるから気をつけろよ」
「「「おっけい」」」
わたしは木の隙間から覗いてみた。
ここは公園だ。
たしかに木がたくさん植わっている。
本当にこの辺にいるのかな?
あっ! そういえばさっきの笛、まだ吹いてなかった。
ここで吹いても大丈夫かな~
わたしはどんな音が鳴るのか、どんな鳥が来るのか、笛を吹いてみようと思った。
キーキー
えっ?
3人も振り返った。
「何の音?」
ステラがいった。
「ごめん、わたしの笛」
「「「ぷはっ」」」
3人に笑われた。
「ルナ、穴が少し小さかったのかもね」
「そうだね」
わたしは、もう一度ふいた。
キーキー
やっぱり、キーキーとなっていた。
すると、黄色い鳥が近づいてきた。
「ねえ、こんな音でも鳥さんきたけど……」
「ほんとだね」
ステラと2人で笑っていた。
その鳥はわたしに近づいてきた。
ん?
鳥の胸元に黄緑色のハートのマークがついていた。
「ステラ!」
「なによ、大きな声をだして」
「いた! インコ!」
「えっ? どこに?」
「ここ!」
「えっ?」
ステラはわたしが指さしたところをみた。
「ハートのマーク。ルーク、レオン!」
「「なんだ、いたのか?」」
「うん」
「どこに?」
「ここ」
ルークとレオンは驚いていた。
「「どういうこと?」」
「ルナがさっき笛を吹いたの、そしたらこのインコがきたの」
「そんなことあるのか?」
レオンがもう一度笛を吹いてといってきた。
わたしはもう一度笛を吹いた。
キーキー
「なるほど、そういうことか」
「「「えっ? どういうこと?」」」
「これはきっと……、キキと呼ばれてるんだ。飼い主が書いてあっただろ、キキと名前を呼ぶと飛んでくるって」
「たしかに」
「じゃあ、わたしが失敗したから飛んできたってことかな?」
「はははっ、そういうことだね」
「でもこれで、解決だ」
「ルナのおかげでね」
複雑な気持ちだけど解決してよかった。
インコのキキをローデン村に連れて帰り、次の日無事にすずなさんに預けて解決した。
今回の報酬は小麦にトマト、えごまの葉にブロッコリーにしてもらった。
ブルーベリーはビリーが南通りのお店で手に入れてくれた。
蓮の実は3日後にとりに行くとして……。
材料はほぼそろった。
残すは烏骨鶏の卵だ!
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