第15話 屋根裏
今日はルークたち探偵団に、一緒に本探しをしてもらえるようにお願いしにいく予定だ。
「ビリーさん、いってきます」
「がんばってね」
「はい」
とりあえず、ルークの家に向かった。
「ルークの家は黄色い屋根だ」
そういえば、レオンとステラの家ってどこなんだろう。
聞いたことなかったな。
「おはようございます」
ルークの家の扉をあけた。
「は~い」
ルークの声がきこえた。
「ちょっとまって」
ルークが2階から叫んでいる。
わたしは待っていた。
「ごめん、だれ?」
ルークは2階からしたを見下ろした。
「なんだ、ルナか」
「うん、早くにごめんね」
「今降りていくよ」
ルークが2階から降りてきた。
「どうしたんだ?」
「また図書館に一緒にいってほしくて」
「そうか」
「あと探したい本があるから、探偵団にお願いしたくて」
「おっけい! じゃあ、レオンとステラの家に行こう」
「ありがと。わたしふたりの家知らない」
「そうなのか?」
「うん」
そとに出た。
「レオンの家はすぐそこだ」
「すぐって?」
「おれの家から5件目の赤い屋根の家だ」
「えっと……1件……5件目、これかな?」
「そうだよ」
「こんにちは」
「はい」
扉を開けて中にはいった。
レオンの家はルークの家と違って物がたくさんあった。
でも、綺麗に整頓されている。
よく見ると、本らしきものも3冊ほどおいてあった。
なんの本だろう。
「やあ、ルークとルナか」
「探偵団の仕事だぞ」
「わかった」
「わたしのお願いなんだけどね」
「なんでもいいさ」
「じゃあ、つぎはステラの家に行こう」
「うん」
「ステラの家はどの辺?」
「ステラの家はもう少しいったところで、南通りのほうに近いんだ」
「そうなんだ」
案内してもらった。
歩いて少し行くと、南通りについた。
「この辺なの?」
「ううん」
南通りの裏側にはいった。
「南通りのもう少し南側なんだ」
「もっと南側にも家が建ってるんだね」
「う……ん」
少し行くと湖が見えた。
湖?
「ここから『リンダウ村』だ」
「えっ? ステラは違う村なの?」
「うん。湖に囲まれた村なんだ」
「へえ、素敵」
「素敵じゃないよ。移動が大変なんだよ」
「買い物とかもここを渡ってくるの?」
「そうだよ」
「だから、若者がまとめて買い物をしてもってかえるんだ」
「それは大変だ」
「ステラの家にはどうやって行くの?」
「それは、こうやるのさ」
リュックからパンを取り出して細かくちぎって投げた。
すると、鳥がやってきてたべだした。
これはもしかして……。
「そう、鳥さんに乗せてもらうんだ」
そういうと、ルークはわたしの手をとり飛び乗った。
レオンも違う鳥さんに飛び乗った。
そして、ステラの村まで乗せてもらった。
これは、ハクチョウだろうか。
すこし大きい鳥さんだ。
そして、湖岸についた。
「ステラの家はこっちだ」
門をくぐり、村にはいった。
「この村は6件しかないんだ」
「え~そうなの?」
「ここの村をなくしたくないそうだ」
「なるほど」
「ここだよ」
ステラの家の屋根はピンクだった。
「こんにちは」
「は~い」
「えっ? どうしたのみんなで」
ステラがでてきた。
「びっくりした」
「探偵団の仕事だよ」
「おっけい」
「わたしが頼んだの」
「わかった」
そういうと、ステラも支度をしてきてくれた。
「今から図書館にいく」
「そこで本を探してほしいの」
「まず、行こう」
また、湖を鳥さんで渡った。
南通りを抜け、図書館にむかった。
草がぼうぼうで歩きづらい。
草をかき分けながらようやく図書館についた。
やっぱりひらたけだな。
「なんの本を探すんだ?」
「エベレストという本を探してほしいの」
「エベレストだな」
「「「わかった」」」
わたしも隅から隅まで探した。
見つからない。
「ルナ、本当にエベレストという本があるのか?」
「わからない」
「え? どういうことだ?」
「実は、リンさんに話が聞けたの。そして善吉さんの部屋にも入れてもらえた」
「よかったじゃないか」
「うん、そこに意味深なことばが書かれた本を見たの」
「意味深な言葉って?」
「う……ん」
わたしはみんなに話すか迷っていた。
この話をして、わたしが人間だとばれたら嫌われてしまう。
せっかくお友達になれたのに……。
どうしたらいいのだろう。
わたしが悩んでいるとルークが話をしてきた。
「ルナ、何を悩んでいるんだ。おれたちは友達だ。何があってもかわらない」
「ルーク……」
わたしはみんなの顔をみて決心した。
すべて話をしようと。
「わたしすべて話をする」
「うん」
「善吉さんの本は『人間とこびとの生態』という本だったの」
「生態?」
「うん。そして最後のページに『この本を最後まで見たきみ! もしかして、人間かい?』と書かれていた……」
「う……ん」
「そして『図書館にて『世界で一番高い山』の本を見てごらん!きみが知りたい謎がとけるだろう』とも書かれていたの」
「よくわからないんだけど」
「わたし……わたし」
「ちょっとまって」
わたしが人間だと言おうとしたとき、レオンが話に割り込んできた。
「世界で一番高い山ってエベレストなの?」
「そうだよ」
「ぼくがおとうさんに連れられて図書館にきたときに、聞いたことがある」
「なにを?」
「ここが世界で一番高い山って言われてるって場所を聞いた」
「え? どういうこと?」
「それは……、この図書館の屋根裏のことだ」
「えっ?」
この図書館に屋根裏があるの?
本当にそこに本があるの?
「うん、登ったことはないがおとうさんはいっていた」
「だれでも登れるの?」
「うん、だけど図書館自体ほとんど人はこない」
「たしかに」
「だれも登ったことはないと思うよ」
レオンが屋根裏に登るべくはしごをみつけた。
「これをそこに引っ掛けるんだ」
ルークが引っ掛けた。
「そして、これを登れば屋根裏に行ける」
登った先は本当に屋根裏だった。
しかも机があり、その上に1冊だけ本がおいてあった。
ほこりがかぶっていたが綺麗だった。
その本には『人間に戻る方法』と書いてあった。
「「「「やったぁー」」」」
「あった」
「ルナ、よかったな」
「うん、みんなありがとう」
ページをめくると……、……薬を作ると書いてあった。
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