第11話 動物と会話

次なる依頼はにわとりの調査だ。

様子がおかしくえさを残すらしい。


「今日は遅いから、明日調査に行こう」

「朝、集合だ」

「「「おっけい!」」」


朝になった。

わたしは毎朝、鳥の鳴き声で起きている。

目覚まし時計なんていらない。

こんな生活してみたかった。


今日は朝からにわとりの調査に行くことになっている。

朝食を食べ、支度をしてまっていた。

すると、ルークがやってきた。


「おはよう!ビリー、ルナ」

「「おはよう!ルーク」」

「みんなはまだ?」

「うん、まだだよ」

「じゃあ、調査部屋でまとうか」

「ん? 調査部屋?」

「うん、知らないの?」

「知らない」

「地下室にあるんだよ」

「地下にはビリーさんの仕事部屋、薬を調合する部屋ならあるけど」

「あ~その奥に秘密の部屋があるんだ」

「え~ 知らなかった」


地下室に行ってみた。

ビリーさんの仕事部屋の本棚を押すと、回転して隣の部屋に入れた。


「え~ すごい!!」

「気づかないよな」

「うん」


まるで忍者屋敷みたいだ。

こんな部屋があるなんて知らなかった。


「依頼の調査をまとめるときはこの部屋を使うんだ。すぐに解決できるときはつかわない」

「なるほど」

「今日のにわとりはどんなことになっているのか行ってみないとわからないけどな」

「うん」


「「おはよう」」


ステラとレオンが地下室にやってきた。


「よし、そろったな」

「じゃあ、調査しにいくか」

「「「おっけい」」」


4人で調査にでかけた。


3人はリュックを背負っている。

わたしはまだ体力がないので持つことはしない。

とにかくみんなについていくだけだ。


ぴょんぴょん走った。

葉っぱの上を飛んだり、ロープでターザンしたりだいぶ慣れてきた。


人間の住処に近づくと慎重になる。


「ここは慎重に」

「わかってる」


渡りきると安心だ。

そこにはにわとりがたくさんいた。


コッコッコッコー……コケー……コケー


泣き声が響き渡っている。


にわとりはこちらを警戒している。

それはそうだ。

きっとここの卵もいただいているのだろう。


ルークが近づこうとしている。


「おれがまず近づいてみる」

「大丈夫?」

「どうだろう」


ルークはにわとりに近づいた。

にわとりはルークをツンツンつつきながら追いかけ回しはじめた。

ルークは必至で逃げている。


「わあー!」


え? どうしたらいいの?


「レオン、ルークを助けないと」

「ん……」


レオンは少し考えると、リュックの中から袋を取り出し粉を投げた。

何の粉なんだ?

すると、にわとりたちが嬉しそうにその粉を食べだした。

ルークを追いかけていたにわとりも食べだした。


「レオン、ありがとう……はぁはぁ」

「ルーク、危なかったな」

「ツンツンされたよ、はっはっはっ」


笑いごとではないような気がするが……。


「今のうちに話してみよう」


ん? 話?


「にわとりさん!」


えー やっぱり話かけてるー


「食べてるときにごめんね」

「なんだ?」


えっ? わたしにも声が聞こえたような気がする。


「最近、調子が悪いんだって?」

「そんなことないよ」

「だって卵を産まないようじゃないか」

「あ~産まれないんだ」


あ~ やっぱり聞こえる~

こびとは動物と会話ができるんだ。

なんか素敵だ。

むかし、飼っていた犬と話ができたらいいのにな~って思っていたけど今なら話ができるんだね。

すごいな~

会話は進んでいた。


「なんでかわかってるのかい?」

「わからない」

「最近、ストレスがたまるとか変わったことはないのか?」

「そういわれれば、えさの種類がかわったんだ。前の方がおいしかったからみんな勢いよく食べるけど今のはそれほどおいしくないから残しちゃうんだ」

「そのえさが原因かな~ちょっと調べてもいいかい?」

「ああ、いいよ」


わたしはおそるおそる近づいた。


にわとりがえさを食べながらこちらを見ている。

気にせず調べ始めた。

にわとりの小屋にいき、えさ箱を調べてみた。


「いつもと一緒で、野菜くずが入ってる感じだけど……」

「もしかして、野菜くずのほうじゃなくて粉の方をかえたのでは?」

「それはありえるな」

「これをもって帰ってビリーに調べてもらおう」


わたしたちは小瓶にえさを入れもって帰えることにした。


「にわとりさん、調べてまたきます」

「おいしいえさがもらえるんなら協力するよ」

「ありがとう」


わたしたちは来た道を帰った。


――――


「「「「ただいまビリー」」」」


「おかえり、どうだった?」

「これを調べてほしいんだ」


小瓶を渡した。

ビリーさんは顕微鏡のようなレンズのもので小瓶の中の成分を見ている。


「これはにわとりのえさだね」

「でも前と違うらしいんだ」

「なるほど」

「見る限り、野菜くずととうもろこしの粉に見えるんだけど」

「ん~違うね」

「え? 違う?」

「うん、これは……」


「ここのえさはもともと、とうもろこしに大麦、小麦に米ぬかがブレンドされていたんだ。でもどうやら、とうもろこしを抜いたようだ」

「え? だからさっきとうもろこしの粉をおいしそうに食べてたんだ」


さっきまいたのって、とうもろこしの粉だったんだ~


「きっと、これが原因でえさを残してしまって卵が産まれにくくなってるんだろう」

「そういうことか」

「とりあえず、これを報告して改善するか様子をみよう」

「そうしよう」


とりあえず、様子をみることで解決したのかな?


「何日かしたら様子を見にいってみよう」

「うん」

「解決するといいな」

「「「そうだね」」」


「じゃあ、今日は解散だ」

「「「おっけい」」」


これからみんな家に戻り、それぞれ家のお手伝いがあるようだ。


わたしは、リンさんの家に行ったが追い払われた。

まだ、話は聞けていない。

これから長期戦になりそうだ。

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