少女
やぁ、君はこれを読むまでどれほど時間をかけているのかな。そこまで長々と書いているつもりは無いからね、あとこれと、もう一ページだ。
少女と出会った後、私たちは彼女を連れて旅に出かける準備を、改めて整えた。どうやらこの世界には、同じものはあったとしても一箇所に固まってることは少なく、そうあったとしても、また別のところに同じものがあるらしい。それを知った私たちは、今あるものが使えなくなる前に、新しい機械を探しに行くことにしたのだ。
機械たちを調べると、それぞれの歴史がよくわかった。その国や世界の状況、文化等がわかれば、どうしてこの世界にこれらのものがやってきたかもわかった。
面白い機械として、宝石を消費して不思議な音楽を流すプレーヤーのような機械や、有限ではあるものの物の重さを気にせず詰め込めるバッグなど。他にも足と翼が生えた空飛ぶ冷蔵庫や斜め方向に高速回転しながら周りのものを全て破壊する車など、とにかく奇抜なものもあった。
それらは全て、その世界の人たちの考え方に基づき、愛され大切にされてきた。
少女は、それらを見て目を輝かせていた。私たちとの会話の中で、多くのことを学び、楽しげに話してくれた。
彼女には、ニアからレルルカ・クルア・カルーという名前を与えられていた。長いのでルアと呼ぶことにした。
…そうだ、書いていなかった。ルアもニアも、この世界に来て若返り、おおよそ10~15歳程の見た目になっているが、二人とも出身の世界が違うので、身体的特徴が異なっていた。
ルアは私の知る人間とよく似ているが、大小様々な触手が全身から生えており、ニアには足が4本、腕が3本あった。
なので、ニアは私とルアの登れない高いところに簡単に登り、道を作ってくれた。ルアはその触手で細かい作業などを頑張ってくれた。
ルアがいたおかげか、旅は楽しく、とても順調だった。ルアの過去のことは、一切口にしなかった。空気が重くなるからだ。
度の道中、私たちは1人の青年に出会った。彼はルアを見て、にっこりと笑った。
彼は一切喋らなかった。ただ、1枚の紙切れを私達に私、ふらっと消えた。
手紙の内容は、こうだった。
「彼女は本来この世界にいてはならない存在。君たちの知るように、この世界には愛されたものか、大切にされたものでないと招かれない。しかし、彼女がここにいる、何故か。理由は簡単だ。彼女を求めている人がいる。彼女を、彼に引き渡してくれ」
この手紙を読んだ私たちは、行き先を変えることにした。ルアに家族がいる。帰るべき場所がある。何より、彼女を忘れたくないと思ってくれる人がいた。それが何よりも嬉しかった。
ルアを求めている人間を探す旅は数ヶ月続いた。気づけば、かなり遠いところまで来ていた。
辿り着いたのは、大きな城のある所だった。
この城は、過去には数え切れないほどの人がいたが、滅んだ頃にはたった5人しかいない国で、常に綺麗にされ、大切にされた城だった。しかし、ここに私たちが探す人間はいなかった。ひとまず、ここを拠点にすることにした
運んできたものを置き、辺りの使えるものを探して修理し、城で生活できるように色々と整えた。
ここを中心に探索を続ける中で、小説やゲーム機なども見つかったし、本当にごく稀に、我々のようにこの世界で旅する人にも出逢えた。と言っても出逢えたのは3人だけだったが。
そんな生活が数ヶ月続いたある日、私たちはついに探していた人間を見つけた。ルアと同じ、触手を生やした男。
彼はハルと名乗った。本名が、この二文字らしい。彼は、ルアのことをハウと呼んだ。2人は親子で、子には親の名前の1文字を入れるらしい。
そんな彼から聞いた話を聞いた時、私たちは旅の終わりを実感した。
…が、もう書く余裕がない。この話は、次回で終わりにしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます